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中国:インドネシアでの高温ガス炉開発に向け協力協定に調印

2016年8月4日

©CNEC

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 中国の原子力発電所建設会社である中国核工業建設集団公司(CNEC)は8月3日、インドネシアで中国製の高温ガス炉(HTR)実験炉を開発していくための協力協定をインドネシア原子力庁(BATAN)と締結したと発表した。中国では、原子炉輸出の主力商品である第3世代のPWR設計「華龍一号」のみならず、脱塩や熱電併給など多目的利用が可能な第4世代のHTRも有力な輸出用設計との位置付け。同協定に基づいて、両国は今後、インドネシアにおけるHTR実験炉の開発、および同炉で必要となる人材育成で協力していく方針で、CNECはこれにより、中国製HTRの海外プロモーションで新たな一歩が刻まれたと評価している。

 今回の協定は、中国・貴州省の貴陽市で両国政府間の文化交流会合が開かれたのを機に結ばれており、中国国務院の劉延東・副総理とインドネシア文化人間開発担当省のP.マハラニ大臣の立ち会いの下、CNECの王寿君・会長とBATANのD.S.ウィスヌブロト長官が調印を行った(=写真)。CNECは中国におけるHTR研究開発の主体である清華大学と協力関係にあり、両者に華能集団を加えた合弁事業体「華能山東石島湾核電公司(SHSNPC)」は現在、山東省石島湾で電気出力20万kWのペブルベッド・モジュール型HTR(HTR-PM)実証炉を建設中。出力60万kWの商業用HTRを江西省瑞金市で建設する計画も進めている。海外展開としては、今年1月にCNECがサウジアラビアにおけるHTR建設を想定した協力で、「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市公団(K.A .CARE)」と了解覚書を締結。今年4月には、英国その他の国でのHTR共同開発に道を拓く協力覚書を英国のエンジニアリング企業、AMECフォスター・ウィーラー社と結んでいる。

 一方のインドネシアは、電力需給の逼迫等により1980年代から原子力発電の導入計画を検討中。2004年には初めて、原子力を国家エネルギー政策における電源構成の中に位置付けたが、建設予定地での火山噴火や地震の可能性、福島第一原子力発電所事故などの影響を受けて大型炉の導入計画は進んでいない。それでも、初期投資の縮減や電力網への影響軽減の観点から中小型炉の導入には関心を抱き続けており、ドイツのNUKEMテクノロジーズ社は2015年5月、同社が率いるロシア企業とインドネシア企業のコンソーシアムが、熱出力1万kWのモジュール型HTR実験炉の予備設計契約をBATANから獲得したと発表。日本原子力研究開発機構(JAEA)も2014年8月、BATANがスマトラ島やカリマンタン島、その他の離島における熱電源として電気出力10万kWの小型HTRを導入するため、JAEAとの研究開発協力を開始したと発表していた。