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理研他、小型中性子源システム「RANS」によるコンクリート損傷の検知手法を開発

2016年11月7日

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透過中性子と後方散乱中性子による測定法の違いⓒ理研

 特定国立研究開発法人理化学研究所と国立研究開発法人土木研究所の共同研究チームは11月1日、舗装面下のコンクリート損傷の検知に適用できる小型中性子源システムを用いた非破壊検査手法を開発したと発表した。理研光量子工学研究領域の大竹淑恵氏をリーダーとする研究チームでは、老朽化が進むインフラ構造物の非破壊検査に利用できる小型中性子源システム「RANS」の開発に取り組んでいるが、今回の土木研との共同研究では、従来の対象物を中性子源と検出器で挟み込む透過中性子による方法で対応できなかった道路橋の床板、空港の滑走路、トンネル壁などの検査についても、「後方散乱中性子」による新たな手法で可能性を示した。今後、実際のインフラ構造物に適用できるよう可搬型加速器中性子源を開発するとともに、測定時間を短縮すべく検出器の改良などを行い、本手法を劣化損傷が引き起こす事故防止へと役立たせていく。
 この手法は、検出器を測定対象と中性子源の間に設置し、入射した中性子が検出器に戻ってくるまでの時間と量の変化を計測することで、コンクリート内の劣化に大きく影響する水分や空洞の分布を観察するものだ。共同研究チームが行った実証試験では、最大で厚さ30cmのコンクリートの下にあるアクリル部(水の代替)や空洞の位置を特定することに成功した。