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OECD/NEAとWANOが原子力安全強化で協力覚書

2017年10月5日

 経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)と世界原子力発電事業者協会(WANO)は10月4日、世界で稼働している商業用原子力発電所の安全性強化を積極的に推進するため、具体的な取り組みアプローチや手法、良慣行などの開発促進で協力する覚書を締結したと発表した。
 NEAは、原子力を安全かつ環境的にも受け入れ可能な経済的エネルギー資源として発展させることを目標に、1950年代にOECD内で設立された専門機関で、原子力発電所を持たない国も含めて32か国の政府が加盟している。一方、チェルノブイリ事故を契機に約20年前に設立されたWANOは、世界中で440基以上の商業炉を保有する事業者の非営利団体で、発電所の安全性と信頼性を共同で最高レベルまで高めることを目的としている。今回の覚書により、政府間の協力機関と産業界の事業者団体は、原子力発電所の安全運転や安全確保の人的側面に関する情報交換も含め、透明性のある協力の枠組を設定する予定。安全文化上の課題について共通の理解を深めるとともに、世界中の原子力発電所で安全性向上に向けた全般的な取り組みを支援していく考えだ。

©WANO

 覚書への調印はパリのNEA本部で、D.イラカーン事務次長とWANOのJ.レガルド議長立ち会いの下で行われた(=写真)。両者はすでに、共通して関心を抱いている基本的課題として原子力安全文化を特定しており、これに対する国民的文化の影響力を探る議論を、2018年から国ごとに開始する準備を共同で進めている。レガルド議長は「WANOとNEAには世界中の原子力発電所における安全性と信頼性の向上という共通目標があるため、覚書に基づく共同作業を通じてお互いの組織だけでなく加盟メンバーも恩恵を得ることができる」と述べた。
 NEAのW.マグウッド事務局長も、「原子力発電所の安全性確保は、世界各国の国民や政府、独立した規制当局および産業界など、すべてのステークホルダーが責任を負うべきもの」と指摘。今回、WANOと覚書を締結したことは、NEA加盟国の意志決定者が産業界の経験に基づく包括的な情報を入手できるよう保証する上で、NEAがさらに一歩前進することを意味しているとした。WANOを通じた産業部門との交流により、NEAの各種委員会は安全文化上の良好事例を産業界と共有する一方、産業界に提言を発する機会を増やすこともできると強調。NEAの使命である「加盟国における高度な安全性確保の支援」を、成功裏に達成する一助になるとの認識を示している。