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サウジアラビア、原子力導入計画でロシアと中小型炉の協力プログラムに調印

2017年10月10日

 サウジアラビアの原子力導入計画に協力を働きかけているロシアの国営原子力企業ロスアトム社は10月6日、ロシアとサウジ両国が原子力平和利用分野における協力プログラムに調印したと発表した。2015年6月に両国がこの分野で締結した政府間協力協定(IGA)の枠内で結ばれたもので、この協力プログラムによりサウジは、小型炉や中型炉の開発を含めた重要分野でロシアとの協力を加速。発電や脱塩のみならず、国家原子力プログラムの進展とともに必要になる人的資源と原子力インフラの構築で、これらの原子炉を活用していくとした。両国はまた、ロシア製研究炉を備えた「原子力科学技術センター」をサウジ国内で建設することについても、将来的に検討する予定だとしている。

 今回のプログラム調印は、サウジのサルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王による公式ロシア訪問に合わせ、5日にモスクワで行われた。サウジ側から署名したのは、K.アル・ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相と、原子力導入計画の担当機関「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市公団(K.A .CARE)」のM.アロダン原子力首席。一方のロシア側は、ロスアトム社のA.リハチョフ総裁、および同社の国際事業部門であるルスアトム・オーバーシーズ社のE.パケルマノフ総裁が署名した。両国のIGAでは、発電炉と研究炉の設計・建設・運転・廃止措置に関係する協力のほかに、核燃料サイクル・サービス、使用済燃料と放射性廃棄物の管理、放射性同位体の生産と工業・医療・農業利用、原子力専門家の教育訓練、協力を具体的に進める調整委員会設置、情報交換のためのセミナーやワークショップ開催、人的資源育成支援を目的とした共同ワーキング・グループ設置などについて、ロシアが協力すると明記されていた。

 サウジは国内の原油資源を温存しつつ国内の電力需要増に対処する目的で、2040年までに1,200万~1,800万kW分の原子力発電設備導入を計画。これまでにロシアに加えて、フランス、アルゼンチン、中国、韓国などと原子力平和利用分野の協力協定を締結、あるいは仮調印した。今年7月には内閣が国家原子力プロジェクトの起ち上げを承認しており、その中で出力120万~160万kWのベースロード用大型炉2基に加えて、一体型小型炉を複数建設することも視野に入れていることを明らかにした。サウジ政府はすでに、アレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)の建設を想定した実行可能性調査(FS)の実施で2015年にフランスと合意。韓国とは、韓国原子力研究所(KAERI)製モジュール式小型炉「SMART」に関するパートナーシップの構築、および世界市場に向けた同設計の共同輸出を念頭に協力協定を締結した。また、今年3月には、中国製高温ガス炉をサウジ国内で建設するための共同FS実施について、中国の原子炉建設会社である中国核工業建設集団公司(CNEC)と協力協定を締結済みとなっている。