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韓国政府、脱原子力などエネルギー転換政策のロードマップを閣議決定

2017年10月26日

 韓国政府は10月25日、新古里原子力発電所5、6号機の建設再開方針に加えて、原子力発電所の段階的削減と再生可能エネルギーの拡大を中心とする「エネルギー転換政策」を継続推進するため、ロードマップを確定したと発表した。
 文在寅大統領が座長を務める24日の閣議で審議・議決したもので、建設許可がすでに下りていた新古里5、6号機については、公論化委員会の勧告に基づき建設準備作業を再開するほか、中断期間中の支出経費等に対するフォローアップ措置、および公論化委が建設再開の補完的措置として提示した原子力発電所の安全基準強化などの対策を滞りなく進める。また、これら2基以降の新規原子力発電所建設計画は全面白紙化するなど、脱原子力政策を段階的に進めていき、2038年には14基まで削減する道筋を明確に示した。一方、原子力発電所の輸出については、積極的に産業界を支援する方針を表明しており、サウジアラビア、チェコ、英国などとは首脳会談や閣僚級会談を開催していくとした。今後の成長が見込まれる原子力発電所の廃止措置事業についても、海外市場を先取りできるよう、廃止措置研究所の設立案を準備・推進するなどして支援を行う方針だ。

 中立の立場の公論化委が約500名の市民の見解を集約していた3か月間、事業者の韓国水力・原子力会社(KHNP)は新古里5、6号機の建設準備作業を中断していた。同社は7月の理事会決定に基づき、中断期間中に支出された費用の範囲と規模を契約企業と協議した上で補償する計画。中断前に進めていた土地補償と集団移住、発電所周辺地域支援法に基づく支援金や地元地域との共存合意金についても、当初計画と合意に則って執行することになる。

新古里5、6号機の建設再開と補完的措置
 建設再開にともなう補完的措置としては、「使用済燃料の処分対策を早急に策定」、「再生可能エネルギーの割合を増やすための投資拡大」なども公論化委から提案されたが、政府はまず、原子力発電所の安全基準強化対策を確立し、安全管理システムを全面的に強化するとした。2019年6月までにすべての原子力発電所に対し、設計基準事故や重大事故も含めて事故管理計画書の提出を義務付ける。また、同一敷地内の複数の原子炉で同時に事故が発生した際の安全性を総合的に評価できるよう、確率論的安全評価に基づく規制方法を早期に開発して、2020年から古里発電所敷地内で試験的に適用。その後は他の原子力発電所にも拡大適用していく。さらに、25年以上稼働している原子炉で安全確保のための投資を拡大するほか、すべての原子炉についてマグニチュード7.0規模の地震に耐えられることを目標に、2018年6月までに耐震補強を完了させるとしている。

エネルギー転換(脱原子力)のロードマップ
 これらの措置とともに推進するエネルギー転換ロードマップでは、原子力発電所の運転期間延長を認めず、段階的に削減していく代わりに、再生可能エネルギーによる発電量の割合を、現在の7%から2030年までに20%に拡大する計画。まず、期間延長して運転継続中の月城1号機は、電力需給などの安定性を考慮した上で早期に閉鎖するほか、新ハンウル3、4号機と天地1、2号機、およびサイトと呼称が未定の2基を加えた合計6基の新規建設計画を白紙化する。これにより、現在24基の原子炉基数は、建設中原子炉の運転開始により2022年時点で28基に増加するが、それ以降は2031年に18基、2038年には14基まで減少。このような段階的削減案を2031年までの第8次電力需給基本計画と、2038年までの第3次エネルギー基本計画に反映させると説明した。