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米ニュースケール社製SMR、蒸気発生器を先進製造センターで試作へ

2017年11月13日

現在、米国で建設中の新型原子力発電所と、ニュースケール社製の格納容器・原子炉システム一体型SMR(=右)の大きさ比較©ニュースケール社

 米オレゴン州で小型モジュール炉(SMR)を開発中のニュースケール・パワー社は11月8日、同社製SMRで使用するヘリカル・コイル蒸気発生器(SG)について、プロトタイプ品の製造契約を「先進的原子力製造センター(CANM)」と締結したと発表した。CANMは今年8月に正式発足したばかりの研究開発組織で、今回の契約はCANMとして請け負う最初のもの。実際の契約手続は、CANMの運営を担当している非営利で中立的立場の応用科学・研究開発サービス提供組織「コンカレント・テクノロジー社(CTC)」との間で結ばれた。
 ニュースケール社は今年1月、SMR設計としては米国初となる設計認証(DC)審査を米原子力規制委員会(NRC)に申請したことを公表。アイダホ州にある国立研究所(INL)内で建設する商業用SMR初号機の運転訓練も、シミュレーターを使って米国内の二か所で開始しており、同社製SMRの実用化に向けた活動は着々と進展している。

 CANMのコンセプトは、原子力の推進と米国サプライ・チェーンの支援活動を展開する事業コンソーシアム「米国原子力インフラ評議会(NIC)」が提唱した。SMRや新型原子炉(AR)システムの開発において、初期段階特有の課題を解決するとともに、製造分析や新しいプロトタイプ機器の設計などを行うため、CANMはペンシルベニア州ジョンストンに設置された。
 CANMの運営会社の選定に際しては、その種類では初となる機器の製造や商業化への移行ソリューションで、CTC社が確固たる実績を約30年にわたり蓄積していることを、NICの作業グループと加盟企業が一致して評価。具体的には、大規模インフラや機器、天井の高いクリーン・ルーム、試験施設など、先進的エンジニアリング・製造サービスを提供できる点を挙げた。また、CTC社が擁する人的資源や製造技術の広範な専門家ネットワークも、CANMを通じて活用されるとしている。

 多段階で構成される今回のSG契約の第1段階において、CTC社はまず、要求された最大の長さを有する直管が製造可能であることを実証。プロトタイプ品の最終形状として螺旋(らせん)形になるよう管を曲げたり、それらを集合体に束ねることも実証するとしている。ニュースケール社は今回の契約により、SMR製造で必要になる企業や施設とのネットワーク作りが格段に進んだと指摘。最先端の製造アプローチを同社製SMRに適用するというCANMの使命により、原子力や材料物質の先進的な研究開発が、最高品質かつ適正価格での商品化につなげられると強調している。