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英国の新設計画への韓国企業参加を両国政府が支援

2017年11月29日

 韓国の産業通商資源省(MOTIE)は11月28日、英国のムーアサイド原子力発電所建設計画を含め、同国内の新設計画に対する韓国企業の参加を支援するため、両国政府が協力覚書を締結したと発表した。
 英国の西カンブリア地方では、東芝がニュージェネレーション(NuGen)社を通じてムーアサイド計画(120万kW級のAP1000×3基)を進めていたが、子会社のウェスチングハウス社が今年3月に米国倒産法の適用を申請。建設計画の先行きが不透明となり、英国政府は韓国企業がNuGen社株を引き受ける可能性について、韓国政府関係者および原子力産業界幹部などと交渉を行っていた。今回の協議を通じて両国政府は、

(1)原子力発電所の建設から廃止措置まで、原子力発電の全段階で協力を推進する基盤作りを行う、

(2)そのためには、韓国電力公社(KEPCO)がムーアサイド計画に、その子会社の韓国水力・原子力会社(KHNP)は日立製作所がホライズン・ニュークリア・パワー社を通じて進めているウィルヴァ・ニューウィッド計画(135万kWのUK-ABWR×2基)に参加する必要がある、

(3)韓国企業による英国内の原子力発電事業への参加を可能にするため、両国政府間で確実な協議チャンネルを構築、

などの認識を共有。英国で行われる包括的設計審査(GDA)や完成した原子炉による発電電力の差金決済取引(CfD)など、新設事業にともなうリスクや収益性について、両国の政府レベルで議論・評価する必要性を韓国側が指摘したため、両国は今後、これらの点について具体的な情報交換を行っていくと見られる。

 今回の協力覚書は、MOTIEの白雲揆(ペク・ウンギュ)長官と英ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)のG.クラーク大臣がロンドンで調印した。MOTIEの発表によると白長官は協議のなかで、KEPCOがムーアサイド計画への参加検討中である事実に基づき、同社が優れた技術力と施工能力を保有しているとアピール。韓国政府としても、同社の原子炉輸出をサポートする明確な意志があることを伝えた。
 同長官はまた、韓国が国内およびアラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所建設計画などで、40年にわたって原子力発電所の建設・運営に関する豊富な経験を蓄積し、盤石なサプライ・チェーンを構築済みだと説明。一定期間内に事業を管理する能力があることや、韓国とUAEで建設中の140万kW級・次世代設計「APR1400」の欧州版が、10月に欧州電気事業者要件(EUR)の認証審査をパスした点も強調した。
 同長官はさらに、韓国が競争力を持つ原子力発電所の建設分野と、英国が先んじている廃止措置分野で相互協力する可能性に言及。原子力発電所の全段階で相互に利益が期待出来るとした上で、韓国における廃止措置能力の強化に向け、人材交流や情報交換などの協力を強化する必要があると指摘した。BEISのクラーク大臣も、同分野における両国間の協力を歓迎したとMOTIEは強調。同大臣がこうした協議の内容をT.メイ首相に報告すると述べたことを伝えている。