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ヨルダン:米X-エナジー社製・小型高温ガス炉の建設可能性を検討

2017年12月1日

©X-エナジー社

 米メリーランド州を本拠地とする革新的原子炉設計の開発企業、X-エナジー社は11月28日、同社が開発している小型のペブルベッド型高温ガス炉「Xe-100」(熱出力20万kW、電力出力7.6万kW)(=)をヨルダン国内で建設する可能性を検討するため、ヨルダン原子力委員会(JAEC)が同社との了解覚書に調印したと発表した。
 ヨルダンは、2基の100万kW級ロシア型PWR(VVER)を首都アンマンの東70kmのアムラで建設するため、2015年3月にロシアと政府間包括協定(IGA)を結ぶ一方、海水脱塩や地域熱供給にも利用可能な小型モジュール炉(SMR)の導入も積極的に推進中。2016年12月に運転員の教育訓練用を兼ねる多目的の韓国製「ヨルダン研究訓練炉(JRTR)(熱出力0.5万kW)」が、同国初の原子力発電設備としてヨルダン科学技術大学で完成したほか、11月上旬には、英ロールス・ロイス社製SMRを建設する技術的実行可能性調査(FS)の実施に向け、JAECが同社と了解覚書を締結している。

 X-エナジー社によると、「Xe-100」は工期が短く、組立作業も工場内で可能というモジュール式の高温ガス炉。物理的にメルトダウン発生の恐れがない設計で、冷却材喪失時も運転員の介入なしで安全性が保たれるという。使用する燃料は、米エネルギー省(DOE)が開発していた3重被覆層の燃料粒子(TRISO)技術をベースとしたもので、DOEは2016年1月、官民折半による新型原子炉概念の開発支援対象の1つに「Xe-100」を選定。原子炉設計と燃料の開発および初期の許認可活動に対し、5年計画で総計4,000万ドルが交付されることになった。2017年3月に同社は、「Xe-100」の概念設計を正式に開始したと発表。9月には、セントラス・エナジー社(旧米国濃縮会社(USEC))との協力により、粒子燃料の加工施設を建設して、2018年から試験製造を開始する方針を明らかにしている。

 今回の覚書締結についてX-エナジー社のK.ガファリアンCEOは、「発電や脱塩、熱利用にも役立つ「Xe-100」をヨルダンに建設できれば、先進的原子炉産業は飛躍的に前進する」とコメント。世界中の市場に同設計の販路を広げ、ヨルダンと同じくクリーンな大気や真水、エネルギーの供給保証といった目標を持つ国で、潜在的な顧客を開拓していきたいとの抱負を述べた。JAECのK.トゥカン委員長も、「高温ガス炉のポテンシャルがひとたび実行に移されれば、発電や脱塩、産業用として活用するチャンスがヨルダン国民にもたらされる」と明言。第3世代や第4世代技術の中心的役割を果たしていくとの期待感を表明した。