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電中研が30年エネミックスで経済評価、原子力比率7%減で実質GDP2.5~2.7兆円減に

2017年12月7日

 電力中央研究所は12月6日、2030年を目標とした電源構成に占める原子力比率20~22%が達成されなかった場合の経済影響評価を発表した。原子力発電の不足分を化石燃料が補うことによる「輸入増」から、「消費減」や「投資減」をもたらし、実質GDPが下降するなど、わが国の経済に広範な影響が生じるものと分析している。 (電中研発表資料はこちら
 2015年7月に、徹底した省エネ推進のもと、電力需要を2013年度レベルに抑え、電源構成で原子力の他、再生可能エネルギー22~24%程度、火力56%程度とする2030年のエネルギーミックスを経済産業省が取りまとめた。このほど電中研が発表した経済影響評価では、2030年で原子力発電比率22%の基準ケースと、同15%で不足分7%をLNG火力、再生可能エネルギーで補てんする2ケース、計3ケースについて、実質GDP、業種別の生産額などを、同所開発の経済モデルを用いて試算・比較している。
 それによると、2030年の実質GDPでは、化石燃料輸入の増加、物価上昇に伴う実質所得の減少、国際競争力の低下を要因に、基準ケースと比べ、LNG補てんケースで約2.5兆円、再エネ補てんケースで約2.7兆円、それぞれ減少するとしている。
 また、業種別にみた実質生産額の減少は、基準ケースと比べ、LNG補てんケースでは、製造業が約3.0兆円、第3次産業が約1.7兆円、再エネ補てんケースでは、製造業が約3.3兆円、第3次産業が約1.9兆円と、いずれの補てんケースも製造業で影響が大きくなっている。さらに、影響が大きな業種について、生産額の減少分を比較すると、エネルギー多消費の素材産業(0.9~1.0兆円)より、輸出比率の高い機械産業(1,8~2.0兆円)で顕著であった。これに関し、「輸出減の影響を相対的に大きく受ける」ものとみて、原子力発電の電源構成比未達が日本経済に与える影響を危惧している。
 2030年のエネルギーミックスが掲げる原子力比率20~22%の目標に関し、電気事業者では、原子力発電プラントを40年運転とした場合は12%(設備利用率70%、20基)、60年運転とした場合は24%(同、42基)との見通しを示しており、今後の課題として、1)再稼働、2)稼働率向上、3)40年超運転、4)新増設・リプレース――をあげている。