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英国:原子力産業分野の人材育成専門国立大学がオープン

2018年2月8日

校舎の完成記念式では記念プレートの除幕式も行われた©NCfN

 英国の原子力産業分野で次世代の人材を育成するための専門国立大学(NCfN)が2月7日、南西部サマーセット州にあるブリッジウォーター&トーントン大学のカニントン校で新たにオープンした。
 原子力関連の先進的かつ高度な技術能力を幅広く開発・訓練することを目的に、世界でもトップレベルの最新式訓練インフラと設備を備えた校舎が完成したもの。原子力産業界にレベルの高い教育訓練の場を提供することにより、英国政府が進める原子力発電所の新設計画で必要な人材を確保するほか、高齢化した熟練労働者の技能や知見を継承し、若者の失業率改善にも役立てることになる。
 同校は、英国内に設置された南北2つの原子力教育拠点のうち「南部拠点」と呼称されており、カンブリア州のレイクス大学に設置された「北部拠点」ではすでに昨年10月、NCfN用の校舎が概ね完成。同校初の新入生33名が、原子力部門への就職や関係キャリアの向上に役立つ学習コースの受講登録を済ませている。

 NCfNの創設構想は、原子力を含む5つの産業分野で新たな国立大学を設立するため、2016年5月に民間企業・技術革新・技能省(BIS)(当時)が公表した支援金拠出イニシアチブの一部。BISが原子力分野に割り当てた1,500万ポンド(約22億8,600万円)に加えて、現地の自治体・企業間パートナーシップや大学などが資金援助を行った。また、産業界からは原子力施設の廃止措置を専門とするセラフィールド社、および英国内で原子力発電所新設計画を進めているEDFエナジー社が訓練施設を貸与。産業界と政府の規制関係機関および訓練技術育成機関等のパートナーシップにより運営されており、2020年までに2つの拠点で合計7,000名以上の次世代原子力技術者を育成したいとしている。

 カニントンで完成した校舎は、EDFエナジー社が建設中のヒンクリーポイントC原子力発電所とも近い位置にあり、学生は原子力施設のバーチャル・リアリティや原子炉シミュレーターを体験することが可能。コンピューターを装備した訓練室のほかに、講義室や会議室、学生達の親睦用スペースやスポーツ設備も設置されている。NCfN南部拠点のP.ゴス代表は、「当校のカリキュラムは特別仕様の革新的なものであり、これを修了した卒業生は業界で高い評価を受けることになる」と明言。将来的に、英国原子力産業界の重要な一部分を担う可能性があると強調した。