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米規制委、集中中間貯蔵施設の建設許可申請審査開始

2018年3月6日

「HI-STORM UMAX」貯蔵システムの3D予想図©ホルテック社

 米原子力規制委員会(NRC)は3月1日、ホルテック・インターナショナル社が2017年3月に提出していた使用済燃料集中中間貯蔵(CIS)施設の建設・操業許可申請書を正式に受理し、技術審査を開始することになったと発表した。
 NRCスタッフの疑問点に対する補足説明資料を同年10月と12月にホルテック社から受領した後、ニューメキシコ州南東部で計画されている同施設の安全・セキュリティと環境影響について、詳細に審査する準備が整ったと判断したもの。総経費750万ドルという同審査の暫定スケジュールでは、40年間有効な許可を2020年7月までに発給できると予想しているが、ホルテック社の対応次第では発給が早まる可能性もあるという。米国ではウェイスト・コントロール・スペシャリスツ(WCS)社も2016年4月、テキサス州で同様のCIS施設を建設・操業する許可申請書をNRCに提出。民間企業による2つのCIS施設建設計画が、連邦政府による最終処分場建設計画の遅れを補うことになる。

 米国内の商業炉から出る使用済燃料は、エネルギー省(DOE)が1982年放射性廃棄物法に従って1998年1月末から引き取りを開始し、深地層に最終処分することになっていた。しかし、B.オバマ前政権が2009年にネバダ州ユッカマウンテンにおける最終処分場建設計画を打ち切った後、政府の有識者特別(ブルーリボン)委員会は2012年、「地元の合意ベースで最終処分場の立地を進めつつ、複数のCIS施設を建設する」ことを政府に勧告。これを受けてDOEは2013年、(1)中間貯蔵パイロット施設の操業開始を2021年までに実現、(2)規模の大きい中間貯蔵施設を2025年までに利用可能にする、(3)最終処分場を2048年までに利用可能にする、--などの管理処分戦略を公表していた。

 独自の小型モジュール炉(SMR)開発も含め、ホルテック社は様々なエネルギー関連技術の開発で知られており、使用済燃料乾式貯蔵システムについてはすでに国内外で複数の受注実績がある。ニューメキシコ州のCIS施設は、州内のエディ郡と同郡カールズバッド市、およびリー郡と同郡ホッブス市による有限責任会社「エディ・リー・エネルギー同盟」と2015年に結んだ協力覚書に基づき、両郡が両市の中間地点で共同保有する敷地において、ホルテック社が建設と操業を担当する。
 CIS施設に使用する乾式貯蔵システム「HI-STORM UMAX」は2015年にNRCから設計認証を受けたとしており、最大1万本のステンレス鋼製キャニスターを地下設備に貯蔵する能力を持つ。初回の申請分では500の貯蔵室に8,680トンの放射性物質を保管することになるが、廃棄物の最終処分が可能になった場合、キャニスターは容易に回収して輸送することができるという。また、初回分の承認が得られた後、同社は原子力産業界で使用された様々なタイプのキャニスターも持ち込めるよう、補足文書を提出する計画であることを明らかにした。