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トルコのアックユでロシア製の初号機が本格着工

2018年4月4日

       ©ロシア大統領府

 トルコの半国営アナトリア通信は4月3日、地中海沿岸のメルシン県で、同国初の原子力発電設備となるアックユ原子力発電所1号機(120万kWのロシア型PWR)が本格着工したことを伝えた。

 同炉の建設工事は昨年12月、部分的建設許可に基づいて原子炉系統の安全系を除くすべての部分で開始されていたが、4月2日にトルコ原子力庁(TAEK)が全面的な許可を発給したのにともない、1号機原子炉建屋の基盤部分で最初のコンクリート打設が行われたもの。同プロジェクトは2010年にロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社が受注しており、現地で開催された記念式典には、トルコの首都アンカラを訪問中だったロシアのV.プーチン大統領がトルコのR.T.エルドアン大統領とともにテレビ会議を通じて出席した(=写真)。両首脳とも、2023年の完成を目指して1号機が着工したことは、トルコ経済の発展および両国間のエネルギー協力における歴史的瞬間になったと強調している。

 同発電所の建設と運転に関して両国が2010年に締結した政府間協力協定によると、アックユでは第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)シリーズの「AES-2006」を合計4基、建設することになっており、総工費の200億ドルはすべてロシア側が負担。選定された事業者が対象施設を建設・所有・運転するという「BOO契約方式」を原子力分野で初めて採用しているため、ロスアトム社がプロジェクト企業としてトルコに設立したアックユ原子力発電会社(ANPP)が、発電所の所有者として建設と運転に全責任を負う。同社は発電所の完成後、15年にわたって発電電力をトルコ電力卸売会社(TETAS)に販売予定で、これにより建設費を回収。同社株の49%までは、外部投資家に売却する計画だとしている。

 祝辞のなかでエルドアン大統領はまず、トルコ経済が2003年から2017年までに平均5.8%で成長し、2017年だけで成長率が7.4%に達した事実に言及。1号機が完成する2023年までに、トルコは世界の経済大国10か国の1つとなる目標を掲げており、さらに安定したエネルギー供給が必要になる。その意味で、原子力発電所はトルコの将来にとって非常に重要との認識を示した。
 また、世界では現在、31か国/地域で約450基の商業炉が稼働中で、2023年にアックユ1号機が完成すれば、トルコもいよいよ原子力利用国の仲間入りをすると強調。この年は丁度、トルコの建国100周年にあたることから、是非ともプロジェクトを成功させたいとの抱負を述べた。
 トルコでは今のところ、エネルギー源の多くを石油と天然ガスおよび石炭に依存しているため、2025年までにアックユの4基すべてが完成し、総発電量の約10%を賄うことを期待。CO2を排出しない原子力発電所は、トルコのエネルギー供給保証に貢献するのみならず、クリーンで環境的にも安全なエネルギー供給により地球温暖化防止にも大きな役割を果たすとの見通しを明らかにした。

 プーチン大統領も「単にトルコ初の原子力発電所が着工したというだけでなく、トルコで原子力産業が創出される土台が築かれた」とコメント。その背景として、アックユ計画では全作業の35~40%をトルコ企業が受け持つ可能性があり、すでに350社以上の中小企業がインフラ整備のサプライヤーとなるための申請を済ませたと説明した。このことから、技術・経済分野ですでに高度に発展したトルコは、1号機の着工により、新たな経済開発に向けて次の一歩を進めたことになると祝福した。
 また、同大統領によると、現在220名以上のトルコ人学生がロシアの大学で原子力工学を学んでおり、この分野では世界でも有数というロシア国立原子力研究大学の卒業生35名に対しては、ANPP社が入社をオファー。原子力発電所で働く優秀な人材の育成面でも、両国が緊密に協力していることを強調した。