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フィンランド規制当局、2基について各々60年運転可能と評価

2018年6月4日

 フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)は6月1日、オルキルオト原子力発電所で1970年代末から稼働中の1、2号機(各91万kWのBWR)を2038年末までの合計60年間、安全に運転することが可能との評価結果を公表した。
 事業者のティオリスーデン・ボイマ社(TVO)が提出していた運転期間延長申請について、長期的な安全性を評価した結果、両炉の運転は安全かつ法的要件を満たしており、TVOによる放射性廃棄物の管理手順も十分かつ適切であると判断。40年間の現行運転認可が今年末に満了した後、両炉で運転期間の20年延長を否定する理由は見当たらないと結論付けた。このような見解をSTUKは雇用経済省(TEM)にも5月31日付けで提出しており、可否に関する最終的な判断は政府に委ねられたことになる。

 フィンランドでは合計4基の商業炉が稼働しており、2017年に同国の総発電電力量の約33%を供給した。4基のうちロビーサ発電所の2基(各52.6万kW)はロシア型PWR(VVER)であるため、設計上の運転期間である30年が経過した2007年、政府がそれぞれに対し20年ずつ運転期間の延長を承認。ロビーサ1号機は2027年末まで、同2号機は2030年末まで、それぞれ50年間の運転継続を許されている。
  オルキルオトの2基はスウェーデンのアセア・アトム社(※現在はウェスチングハウス社に吸収・合併)が1978年と1980年に完成させたBWR。TVOによると、オルキルオト1、2号機の発電量は総発電量の約22%を占め、フィンランドのベースロード電源として重要な役割を担うとともに、同国のエネルギー・地球温暖化防止戦略においても大きく貢献している。

 両炉の設計では、運転開始当初の運転期間は40年に設定されており、TVOは2017年1月に両炉の運転期間延長を申請した際、独自に実施した広範な安全審査の結果とともに、新たな運転期間中も安全確保していくための行動計画案を提示した。事業者による発電所全体の安全審査は、原子力法に基づいて少なくとも10年に1回、義務付けられている。政府が同1、2号機の運転期間延長を認めた場合、TVOは2028年までに次回の大規模安全審査を両炉で実施し、結果報告書についてSTUKの承認を受けなければならない。この行動計画案についてもSTUKは、次回の安全審査までの期間、両炉を安全に運転する上で十分な対策が提案されているとの判断を下した。
 運転期間の延長審査では特に、機器の経年劣化管理が基盤となるため、TVOは延長後もこの管理が適切に行われる点を保証する必要があった。STUKは自らの安全性評価で、原子炉圧力容器(RPV)の劣化状況を分析。RPVでは8年毎に耐圧テストの実施が義務付けられているが、STUKは「両炉のRPVは60年間使用可能だ」とするTVOの評価結果を支持している。

 STUKは評価に際して、TVOの組織としての労働環境や離職率についても特別に考慮した。TVOは2017年以来、安全文化の醸成や労働環境・管理に関する大型プログラムに着手しており、STUKはその実施状況と有効性を集中的に監督。その結果として、TVOが安全文化の改善で組織的な対策を採っており、現時点の安全文化は許容レベルにあると述べた。ただし、長期的なプロセスであるため、TVOは継続的に対策の改善を図る必要がある点も付記している。