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電気協会シンポ、今秋の新検査制度試運用開始を見据え学協会規格の役割について議論

2018年6月6日

 日本電気協会は6月5日、都内でシンポジウムを開催した。同協会の原子力規格委員会(委員長=越塚誠一・東京大学大学院工学系研究科教授)主催で毎年行われるもの。前回に引き続き、検査制度見直しに関わる学協会規格の役割と課題をテーマに、日本原子力学会、日本機械学会の他、原子力規制庁、電気事業者も交えて、今秋からの新制度試運用を見据え、社会から信頼される民間規格のあり方について議論した。
 日本電気協会、日本原子力学会、日本機械学会が取り組む学協会規格・基準は、それを使用する当事者らが協力して、より高い安全性を合理的に達成することを目指す「民間の自主的取組」で、原子力規制委員会でも効率的な審査に資するものとして技術評価が行われている。3学協会は「原子力関連学協会規格類協議会」を結成し、共通課題の協議・調整を図り、現在検査制度見直しを踏まえた活動を進めている。
 シンポジウムでは、日本電気協会の規格・基準であるJEAC(電気技術規程)とJEAG(電気技術指針)について、2020年度の新検査制度の実運用開始を目標に改定・制定を進めている10件があげられた。例えば、「JEAC4111 原子力安全のためのマネジメントシステム規程」については、新検査制度がひな形としている米国の原子炉監督プロセス(ROP)における客観的指標(PI)の活用など、品質保証関係の追加21項目などが検討されている。
 また、事業者として、東京電力と関西電力が新検査制度試運用の準備状況を説明したのを受け、電気事業連合会原子力部部長の横尾智之氏は、代表プラントの試行から全プラントの習熟へとステップアップしていく試運用スケジュール案を提案した上で、規格基準への反映に関する課題を提起した。
 その他、日本原子力学会からは標準委員会委員長を務める関村直人氏(東京大学大学院工学系研究科教授)が、規制庁からは検査監督総括課長の金子修一氏が、いずれも先般の原子力安全推進協会「アニュアル・カンファレンス」への登壇も振り返りながら、規制側と学協会の取組とが相乗効果を発揮し原子力の安全性向上が図られることを期待した。資源エネルギー庁の自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループにも参画する関村氏は、今後の学協会規格の方向性について「検査制度に限らず人材育成の分野など、さらに幅を広げていく必要がある」などと述べている。