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米ホルテック社が原子炉3基の廃止措置でサイトごと購入へ

2018年8月3日

 米国籍のエネルギー総合ソリューション企業であるホルテック・インターナショナル社は7月31日と8月1日の両日、同国内で数年以内に早期閉鎖が予定されている商業炉3基で廃止措置作業を行うため、事業者からサイトごと発電所を購入することになったと発表した。
 購入により、同社は最新技術を駆使した廃止措置作業を、迅速かつ作業員の被ばく線量も低く、完璧な安全性を備えたプログラムに変えることができると指摘。同社はこのほか、ミシガン州で解体作業が終了し、使用済燃料乾式貯蔵施設のみが残存するビッグロックポイント原子力発電所(BWR、7.5万kW)についても、サイトを購入予定となっており、廃止措置業務を担当するサイトは合計4か所になった。
 機器の解体や除染など実際の作業は、今年7月にカナダのSNC-ラバリン社との合弁で設立した廃止措置専門企業「コンプリヘンシブ・デコミッショニング・インターナショナル(CDI)社」が行うことになる。この分野で両社が培ってきた経験や知見を最大限に活用して、発電所サイトを早期に生産的な目的に利用可能な状態に戻していくが、使用済燃料についてはすべて、それぞれのサイトの乾式貯蔵施設に移送。米エネルギー省(DOE)が使用済燃料の引き取り義務を履行するまでの間、監視付きでサイトに保管される見通しである。

 ホルテック社は様々な事業のなかでも使用済燃料の管理が専門で、2014年に閉鎖されたバーモントヤンキー発電所(BWR、65.2万kW)も含め、国内外の原子炉100基以上に対して、同社が開発した使用済燃料の乾式貯蔵・輸送技術を提供している。米ニューメキシコ州南東部では、州内の複数の自治体との協力で集中中間貯蔵施設(CIS)を建設する計画も進めており、2017年3月に建設許可申請書を米原子力規制委員会(NRC)に提出済み。完成すれば、全米から使用済燃料を受け入れて、発電所サイトを全面的に開放状態に戻すことができるとしている。

オイスタークリーク発電所
 7月31日付けのホルテック社の発表によると、今年10月にニュージャージー州で閉鎖されるオイスタークリーク原子力発電所(BWR、64.1万kW)について、同社は発電所と土地および使用済燃料の所有権を購入することで所有者のエクセロン社と合意。廃止措置用にエクセロン社が設置していた信用基金もホルテック社に移転され、サイト全体の廃止措置作業と開放活動をすべて、同社が管理することになる。
 購入取引は、NRCその他の承認を待ちつつ2019年の第3四半期までに完了する計画で、作業を受け持つCDI社には、60年とされていた同発電所の廃止措置を50年以上前倒しし、8年以内に終えるだけの十分な装備があると強調した。改訂版の廃止措置計画は、NRCが審査・承認を行う間にパブリック・コメントにも付される予定である。

ピルグリム、パリセードの両発電所
 ホルテック社はまた、8月1日の発表のなかで、マサチューセッツ州のピルグリム発電所(BWR、71万kW)とミシガン州のパリセード発電所(PWR、85.7万kW)について、2019年5月と2022年春にそれぞれが永久閉鎖された後、両発電所を購入することで所有者のエンタジー社と合意したことを明らかにした。この取引には、発電所の認可と使用済燃料、廃止措置信用基金などが含まれており、同社は2020年にもピルグリム発電所の廃止措置作業を開始し、約8年で大方の作業を終える方針。パリセード発電所については、閉鎖時期が近くなってから作業日程を決めるとしているが、どちらについても発電所の閉鎖から3年以内に、すべての使用済燃料を貯蔵プールから乾式貯蔵施設に移す考えである。
 認可の移転については、同社とエンタジー社が今年の第4四半期にピルグリム発電所の分をNRCに申請し、2019年末までの手続完了を目指す。パリセード発電所の方は2022年末までに手続を終えたいとしている。