【ブラジル】原子力発電公社顧問の年次大会講演と発電所視察(2008.5.1)

平成20年5月1日
日本原子力産業協会国際部

 当協会は、ブラジル原子力発電公社のレオナン・ギマランイス社長付顧問を、平成20年4月14日から19日まで、第41回原産年次大会の発表者として招待するとともに、原子力発電所の見学をアレンジしました。

brazil_advisor

 ギマランイス顧問は、4月15日の年次大会のセッション2では、「ブラジルの電力システムと原子力発電の必要性」と題して講演しました。ブラジルは全発電電力量の9割以上を水力発電が占め、今後も水力が主体ですが、水力はダム貯水量や自然保護の観点から限界があり、水力を補完する最適な電源開発が必要であるとして、原子力の役割が増しています。原子力発電所は現在、アングラ1、2号機の2基、合計出力200.7万kWが運転中です。国家電力計画によると、2015年迄にアングラ3号機(135万kW)、2030年迄に100万kW級原子炉4~8基を、運転開始させる計画です。

meetingroom-s 4月18日、ギマランイス顧問は、日本原子力発電(株)の東海第二発電所を見学しました。最初に原子力館(PR館)応接室で発電所全体の説明を受け、その後、原子力館の中を見学しました。中庭にある子供用の簡易プール(ジャブジャブ池)に興味を持ち、帰国後、アングラ原子力発電所でも作りたいと話していました。

reactor-room 原子力館見学の後、東海第二発電所の中央制御室、原子炉建屋、タービン建屋、ドライキャスク貯蔵施設を見学しました。当日は定検中でしたので、多くの作業員が働いていましたが、その様子も熱心に見ていました。ドライキャスクを見学した際は、構造が非常にシンプルでいいとの感想を述べていました。ブラジルでも使用済燃料の中間貯蔵施設の建設を予定しているが、ブラジルでは湿式貯蔵を採用する方針のようです。今回は、時間の関係で、東海発電所の廃止措置の現場は見学できませんでしたが、ギマランイス顧問は、廃止措置および、それにより出てくる廃棄物のリサイクルについても、かなり興味を持っているようでした。

 発電所の見学を終えたギマランイス顧問は、ブラジルにはPWRしかないため、今回BWRを見ることができたこと、また普段見られない原子炉格納容器の内部なども覗くことができ、非常に良い経験になったと話していました。

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