ロシアへフロントエンド調査団を派遣(2009.9.15~21)

 当協会は9月中旬、ロシアの核燃料サイクルのフロント・エンド事情を調査するため、日本原燃の濃縮事業部部長の阪本琢哉氏を団長代行(服部理事長団長が急遽、不参加のため)とする調査団をロシアに派遣しました。

 一行は、9月16日に、モスクワ市郊外にある、燃料成型加工工場「機械建設工場」(エレマッシュ)を訪問、同工場のクリュコフ所長および同工場を傘下におくTVEL社より、プレゼンテーションを受けた後、RBMKおよびVVER用燃料の製造プロセスを視察しました。
 

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機械建設工場での討議風景
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機械建設工場における燃料加工設備視察

 同日、ロシア製原子力発電所の海外輸出・建設を主たる事業とするアトムストロイエクスポルトのイワノフ副社長と懇談しました。同社は、世界で現在7基の原子力発電所建設プロジェクトをかかえていますが、今後の展開において、大型コンポーネントや計測制御機器などの供給チェーンで日本との協力関係への期待が表明されました。

 9月17日には、東シベリア地域のアンガルスク市にある、ウラン濃縮工場であるアンガルスク電解化学コンビナートを訪問しました。同コンビナートのベラウソフ所長および国際ウラン濃縮センターのゴリュノワ取締役からプレゼンテーションを受けた後、中央ラボ、転換プラント、濃縮プラント、ウラン充填設備を視察しました。濃縮プラントでは、約20年間、安定的に稼動している信頼性の高い第6世代の小型の遠心分離機カスケードを間近に見ることができました。ロシアでは現在、単機能力が1.5倍以上の第7、8世代の遠心分離機が導入されていると聞き、一行は、ロシアの高度な濃縮技術に強く印象づけられることとなりました。
 

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アンガルスク電解化学コンビナートでの討議風景
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アンガルスク市内のコンビナート記念館にて

(いずれも同コンビナート提供)

 9月21日、ロスアトムのスパスキー副総裁との懇談では、各企業、工場の訪問を踏まえ、率直に意見交換をしました。スパスキー副総裁は、日露原子力協定の締結を迎え、今後、拡大が予想されるビジネスの協力を実施するにあたり、日露の原子力産業の戦略的な関係に向け、今後も交流を重ねていくことが必要である、と述べました。

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)