今井会長とキリエンコ・ロスアトム総裁との懇談(2012.4.3)

 当協会の今井会長、服部理事長は4月3日、来日したロシア国営原子力企業ロスアトムのキリエンコ総裁と懇談をしました。

 冒頭、今井会長は、青森での年次大会以降、5年ぶりに会えたことを嬉しく思うとともに、東日本大震災時におけるロシアの救援活動や福島第一原発事故収束にむけたロシアからの支援に対して感謝の意を表しました。

 これに対し、キリエンコ総裁は、東日本大震災の犠牲者に対して深い哀悼の意を述べるとともに、日本国民が大震災を乗り越えて復興を達成したこと、福島第一原発において事故処理にあたる日本の専門家、従業員の高い能力の取組みに対して敬意を示しました。また、福島第一原発の問題は、世界の原子力に影響を与えうるため、効率よくできるだけ早く復旧作業を終えることが重要であると述べ、福島第一原発の廃炉処理においては、チェルノブイリ事故をはじめとし、ロシアの原子力産業界がこれまでに培った経験や知見を活かして、その迅速な処理に向けて支援する用意があると述べました。

 これに対し、服部理事長は、廃炉処理においては現場のニーズに基づき、世界の英知を結集して効率的に解決すること、その経験、成果を世界で共有していくことが重要であると答えました。また、その作業に今後30-40年がかかると見込まれることから、事故後の若い優秀な人材の確保が大きな課題であると述べました。

 キリエンコ総裁からは、ロスアトムが福島事故後、一貫して客観的に正しい情報提供に努め、事故直後には悪化した原子力に対する風向きが好転した事例が紹介されました。

 最後に、日ロ原子力協定が5月上旬に発効するにあたり、これまでの日本の産業界による支援に対する謝辞が述べられました。

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