服部理事長、クルチャトフ研究所のベリホフ総裁と高速炉開発等について懇談(2009.10.7)

 当協会の服部理事長は10月7日、「第6回、科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」(10月4日~6日 於京都)に出席するために来日した、ベリホフ ロシア・クルチャトフ研究所総裁と都内で懇談しました。

1030rsia11 ベリホフ総裁(=写真左)は、ロシア経済の近代化技術開発委員会(委員長:メドベージェフ大統領)の下に、ロスアトムのキリエンコ総裁を中心とする原子力技術に関するワーキンググループが組織され、3つの主な方向性-VVER技術の最適化、閉じた燃料サイクルと高速炉の開発、核融合開発が示されたことを紹介しました。

 ベリホフ総裁は、これからは高速炉の時代が到来するとし、自然冷却の可能な出力35万kW クラスの中小型炉の標準化を提唱。その候補として、燃料サイクルの技術が最も整った段階にあるとする、米GE社のPRISM炉が最適であると述べました。また、ロシアの再処理事情にも言及し、大規模な投資が必要となる第二工場の建設については、まずは閉じた燃料サイクルの技術を完成させ、それをベースとする標準型炉が確立した段階で進めていくべきである、との考えを示しました。

1030rsia24 服部理事長は、3Sの堅持を原則に、核拡散抵抗性のある技術が高速炉開発のキーポイントであると答え、日本としては、まずは、もんじゅの運転再開を最重要視しており、もんじゅを世界のFBRの技術者の共同研究の場として有効活用して欲しいとする考えであることを紹介しました。

 また、原子力技術開発や人材育成は、どの国にも共通の問題であり、不足の部分はお互いに補って協力していくことが望ましいとの意見で一致しました。

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