[諸外国における原子力発電開発の動向]
話題を追って (2000年3月中旬〜5月中旬)

米国:NRC、オコニー1、2、3号機の運転認可更新を承認

米原子力規制委員会(NRC)は5月23日、デューク・エナジー(DUKE)社が申請していたオコニー1、2、3号機(PWR、1・2号機:88万7000kW、3号機:89万3000kW)の運転認可の20年延長を正式に承認した。すでに3月23日に承認されたボルチモア・ガス&エレクトリック(BG&E)社所有のカルバート・クリフス1、2号機に続き、今回の正式承認は国内で2例目となる。

NRC事務局は99年12月22日、同発電所3基の運転認可更新にともなう環境影響調査をとりまとめ、2000年2月に安全評価報告を公表。また、同事務局は事前に、オコニー1、2、3号機の運転認可を20年延長する申請に関して、NRC委員会に対して運転認可更新を承認すべきであると勧告していた。

オコニー発電所では、1号機が2013年2月、2号機が同10月、3号機が2014年7月に現行の運転認可期間を終了するが、この時点で原子力発電所の減価償却が終わるため、更新期間(20年間)の経済性は大幅な向上が期待できる。今回の承認で、同発電所3基すべての運転認可は通算して60年間有効となり、その結果、同社は同1、2号機を2033年、同3号機を2034年まで営業運転が可能となった。

NRCは通常、許認可手続きに25ヵ月間から30ヵ月間の時間を取って審議してきたが、今回の手続き期間は23ヵ月未満と大幅に短縮され、当初NRCが予想していたスケジュールより約6週間早まった。

なお、米原子力エネルギー協会(NEI)によると、全米にある103基の原子力発電所の内、約3分の1の所有者は2003年までに運転認可更新を申請する予定であり、今回のNRCの審査プロセスは、後に続く運転認可更新を予定している電力会社に対し、明確な道筋と信頼を与えた。

DUKE社は99年4月、運転認可の更新の一環として、オコニー1、2、3号機すべての計6基の蒸気発生器(SG)を交換すると発表。すでに同社はバブコック&ウィルコックス・カナダ社へSG交換工事を発注しており、1号機は2003年、2、3号機は2004年の定期検査・燃料交換時にSG取替えを予定している。


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