[諸外国における原子力発電開発の動向]
話題を追って (2000年6月中旬〜7月中旬)

米国:NRC、バーモントヤンキー原子力発電所の運転認可移転を承認

米原子力規制委員会 (NRC) は7月10日、バーモントヤンキー原子力発電所 (BWR、54万kW) の運転認可をバーモントヤンキー・ニュークリア・パワー (VYNP) 社からアメージェン社の子会社であるアメージェン・バーモント社へ移転することを承認した。連邦エネルギー規制委員会 (FERC) からは6月28日に承認を受けているが、まだ、バーモント州公益事業委員会、ペンシルベニア州規制当局、証券取引委員会、および場合によってはコネチカット州による承認が必要となっているため、同発電所の買収完了は今秋になる見通し。

NRC は運転認可移転を承認するにあたり、先月のオイスタークリーク発電所 (BWR、65万kW) の承認をした時と同じく、(1)アメ−ジェン社の50%の株式を外国資本 (英国のブリティッシュ・エナジー社) が所有していること、(2)廃炉信託基金、(3)保険料、(4)同社の技術的・財政的能力−−に焦点をあてて検討してきた。

バーモントヤンキー発電所は72年11月の営業運転の開始以来、米国でもトップクラスの実績を誇り、現行の運転認可は2012年3月まで有効。VYNP 社は99年2月25日より同発電所のアメージェン社への売却交渉を開始していた。なお、同発電所はニューイングランド地方の13社の電力・配電会社と共同所有しており、バーモント州の総発電電力量の約80%を供給している。

アメージェン社は、米国の原子力発電所の売買・運転を目的として、英国で約20%あまりのシェアを有する同国最大の電気事業者であるブリティッシュ・エナジー社 (BE) と米国屈指の原子力発電会社である PECO エナジー社が97年9月に設立した合弁会社。同社にとって今回の運転認可移転の承認は、スリーマイルアイランド1号機 (PWR、87万2000kW)、クリントン原子力発電所 (BWR、98万5000kW)、および先月8日に承認されたばかりのオイスタークリーク発電所に続き4件目。

なお、アメ−ジェン社以外にもボストン・エジソン社所有のピルグリム原子力発電所 (BWR、69万6000kW) の運転認可がエンタジー社に移転されている。


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