[諸外国における原子力発電開発の動向]
話題を追って (2000年11月中旬〜12月中旬)
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米国:CP&L社、フロリダ・プログレス社の買収を完了

カロライナ・パワー&ライト (CP&L) 社の親会社である CP&L エナジー社は11月30日、フロリダ・プログレス (FPC) 社の買収認可を証券取引委員会 (SEC) から取得、これによって FPC 社の買収が完了したと発表した。買収額は53億ドルで、合併後の新会社の名称はプログレス・エナジー社となり、12月11日にはニューヨーク証券取引所 (NYSE) で取引を開始した。

CP&L 社による FPC 社の買収手続は、これまで、両社の株主、連邦エネルギー規制委員会 (FERC)、原子力規制委員会 (NRC)、ノースカロライナとサウスカロライナ州規制当局、司法省 (DOJ)、連邦取引委員会 (FTC) -- の承認を得ており、今回の SEC が最終承認となった。

合併後の新会社であるプログレス・エナジー社は、ブランズウィック1、2号機 (BWR、84万7000kW 2基)、クリスタルリバー3号機 (PWR、89万kW)、シアロンハリス原子力発電所 (PWR、95万kW)、H. B. ロビンソン2号機 (PWR、73万9000kW) -- の5基・合計427万kW を含む、発電設備容量約1,900万kW を所有することになり、顧客数も280万という全米でも十指に入るエネルギー企業が誕生した。

CP&L 社は、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州を供給基盤とし、16基 (合計出力:996万3000kW) の発電設備を持つ米国でも有数の電力会社 (卸電気事業者)。4基の原子力発電所を運転中で、総発電設備容量の32%を原子力が占める (石炭火力が55%、石油・ガス火力が11%、水力が2%)。また、同社は1999年5月、自社所有の H. B. ロビンソン2号機 (1971年運開) の運転認可更新を2003年にも原子力規制委員会 (NRC) に申請する方針を表明した。

さらに同社は、1999年7月に買収したノースカロライナ天然ガス社 (NCNG) を通じて東部、南部ノースカロライナ州の約17万8,000の需要家にガスを供給しており、同社の天然ガスを燃料としたガス火力発電所の建設も計画中。ガス火力を中心に、今後10年間で合計700万kW 相当の発電設備を増設する計画で、自社およびフロリダ・パワー社の供給区域と米国南東部の卸電力市場における販売電力量の拡大を期待している。

一方、フロリダ・プログレス社の子会社であるフロリダ・パワー社は、クリスタルリバー原子力発電所も含め57基の発電設備 (合計出力:734万7000kW) を有し、州都タラハシー周辺のセントピーターズバーグ、クリアウォーターなどフロリダ州中西部を供給基盤とし、約130万の需要家に電力を供給するフロリダ州第2位の電力会社。同社の電源構成は、石炭火力が39%、原子力が19%、石油火力が12%、ガス火力が4%、残る26%が他社買電で電源多様化が進んでいる。総売上の内訳も小口取引が56%を占めている。なお、クリスタルリバー3号機でも運転認可の更新が検討されている。

[終わり]

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