[諸外国における原子力発電開発の動向]
主なできごと (2001年7月中旬〜8月中旬)
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米国:エンタジー社、バーモント−ヤンキー原子力発電所を買収

-- 落札額は1億8000万ドル

エンタジー社とバーモントヤンキー・ニュークリア・パワー (VYNP) 社は8月15日、エンタジー社が VYNP 社所有のバーモントヤンキー原子力発電所 (BWR、54万kW) を1億8000万ドル (約221億円) で買収することで原則合意したと発表した。

VYNP 社は今年3月に同発電所を入札で売却することと決定、最終的にエンタジー社が落札した。エンタジー社が同発電所を買収するには、バーモント州の公益事業委員会 (PSBV) や原子力規制委員会 (NRC)、連邦エネルギー規制委員会 (FERC) などの承認が必要になるため、買収完了は来春頃の見通し。なお、同発電所の競争入札には、アメージェン社とエンタジー社のほか、ドミニオン・リソーシーズ社とコンステレーション・エネジー社も参加した模様。

エンタジー社によると、バーモントヤンキー発電所の買収価格の内訳は、発電設備が1億4500万ドル (約178億円)、燃料が3500万ドル (約43億円) となっており、発電設備1kW あたりで269ドル (約3万3000円)。また、同社が (1) 同発電所の従業員450名の雇用を確保すること、(2) 廃炉処置や廃炉基金の責務を負うこと、(3) 同発電所の運転認可が失効する2012年まで1000kWh あたり39ドルから45ドル (平均価格) で現所有者の VYNP 社に売電すること ---- などが両社の間で合意された。

VYNP 社は1999年2月、バーモントヤンキー発電所のアメージェン・エナジー社への売却交渉を正式に開始した。同10月に同発電所のアメージェン社への売却が合意。2000年7月には NRC から運転認可の移転も承認された。しかし、エンタジー社が2001年1月にバーモント州の公益事業委員会に対し同発電所を入札にかけるよう要請し、さらに買収額がアメージェン社の倍である5000万ドルを提示。これを受け、州の公益事業委員会は2001年2月、同発電所を入札で売却することが価値を最大限に高めることができると判断したため、アメージェン社への売却申請を却下した。

エンタジー社はバーモントヤンキー発電所の買収を完了したあと、3年をかけ同発電所の出力を10%増強する計画をもっているが、運転認可更新の申請をするかどうかは今のところ未定。同発電所は1972年11月の営業運転の開始以来、米国でもトップクラスの実績を誇り、現行の運転認可は2012年3月まで有効で、バーモント州の総発電電力量の約80%を供給している。

[終わり]

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