[諸外国における原子力発電開発の動向]
話題を追って (2002年2月中旬〜3月中旬)

米国:2001年の原子力発電電力量が7,673億kWh

米エネルギー省 (DOE) エネルギー情報局 (EIA) は3月18日、2001年の原子力発電所 (103基) の運転実績を発表した。それによると、原子力発電電力量は前年より134億kWh 増の7,673億kWh に達し、新規の原子力発電所が運転を開始していない中で、3年連続で記録を更新した。これは、発電事業者が原子炉の燃料交換と計画外停止時間の短縮に成功し、発電量を増やすことに成功しているためと EIA は説明している。

また、世界原子力発電事業者協会 (WANO) が原子力発電運転協会 (INPO) のデータをもとに取りまとめたところによると、高稼働の要因は以下の通り。

  • 2001年の原子力発電所の平均設備利用率は前年より若干低下しているものの90.7%と依然として高水準である。

  • 計画外自動停止が起こった原子力発電所は5年連続で半数以下である。

  • 20万作業時間あたりの事故発生件数が0.24件で、他の製造業部門の4件 (2000年) と比べきわめて低い値となった。

  • BWR と PWR の集団被曝線量の中央値がともに、測定開始の1980年以降最低値を記録した。BWR が1基あたり149人・レムで、PWR は68人・レムとなった。

レイモンド・ジェームズ&アソシエーツ社の予測によると、米国で稼働中の103基の原子力発電所の内、3分の2は2002年に運転を停止して燃料交換を実施する見通し。このため、2002年の原子力発電電力量は昨年水準に達するのは難しいとみられている。同社は、発電事業者が運転停止期間をいかに短く抑えることができるかが課題であるとしている。

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