[諸外国における原子力発電開発の動向]
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米国:DOEが原子力工学教育にテコ入れ

米国エネルギー省(DOE)のエイブラハム長官は6月10日、国が原子力工学教育にテコ入れする「原子力基盤・教育イノベーション」(Innovations in Nuclear Infrastructure and Education)の一環として、4つの大学連合に合計で550万ドル(約6億7000万円)を供与することを明らかにした。また、2003年度での資金確保を条件に助成金を支給する対象として3つの大学連合を選定した。

さらに、新しい機器の購入と学生などへの直接支援(21件)、大学研究炉の計装制御系の改良と安全性の向上(23件)、研究炉がない大学の学生が原子炉を利用するにあたっての支援(22件)などに対しても助成金が与えられることになった。このほか、中高生を対象にした原子炉の見学や原子炉を用いた実験なども計画されている。原子力科学技術に対する理解を深め、将来、原子力工学を志望してもらおうというのがねらい。

INIEプログラムは、DOEの原子力研究諮問委員会の勧告を受けてスタートした。米国では近年、資金面も含めて大学の原子力工学教育や研究炉の弱体化が顕著になってきている。こうしたことから同委員会は、このままでは米国が将来必要とする原子力科学技術者を確保することが難しくなると判断、DOEに対して対策を講じるよう求めていた。

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