[諸外国における原子力発電開発の動向] 話題を追って |
IAEA:2001年の世界の原子力発電量3.9%増、シェアは16.2%に2001年の世界の原子力発電電力量は2兆5,440億kWhで、前年から3.9%増加した。原子力発電シェアは16.2%だった。 国際原子力機関(IAEA)は7月11日、各国からの報告をもとに、2001年末現在の世界の原子力発電の現状をとりまとめた。それによると、2001年の原子力発電電力量は前年実績の2兆4,490億kWhから3.9%増の2兆5,440億kWhとなった。また、総発電電力量が対前年比1.64%増の15兆6,840億kWhに留まったため、総発電電力量に占める原子力発電のシェアは前年の15.9%から、0.3ポイント増の16.2%となった。19カ国・地域で原子力シェアが20%を超えた。 原子力発電所の運転パフォーマンスを示す平均稼働率は、90年の72.9%から11.1ポイント上昇し、84%に達した。 2001年末現在の運転中の原子力発電所は、31カ国・地域の合計438基で、前年と同じ。地域別では、西欧148基、北米118基、アジア95基、東欧69基、中南米6基、アフリカ2基。2001年には日本の女川3号機(BWR、82万5,000kW)とロシアのボルゴドンスク1号機(VVER-1000 = ロシア型PWR、100 万kW)が新たに送電を開始した一方で、英国の2基が正式に閉鎖された。この結果、2001年末現在の合計出力(ネット)は約3億5,300万kWとなり、前年より約200万kWの増加となった。建設中の原子力発電所は32基で、殆どがアジアと中・東欧。国別の内訳は、中国8基、韓国とウクライナが4基、日本3基、インド、イラン、ロシア、スロバキア、台湾が各2基、アルゼンチン、チェコ、ルーマニアが各1基。 IAEAは、今後の原子力発電設備容量の伸びは緩やかで、2005年時点で3億6,700万〜3億7,700万kW、2010年時点では3億7,800万〜4億600万kWになると予測している。2001年からの伸び率はそれぞれ4〜7%、7〜15%で、殆どがアジアや中・東欧での成長によると見込まれている。 これ以外の地域では、2010年までの原子力発電設備容量の伸びは僅かなものと予測されている。フィンランド政府と議会は2010年までに国内5基目の原子力発電所を建設する申請を許可した。また米国では、政府と産業界が協力して2010年頃に新しい原子力発電所を国内に建設することが検討されている。一方で、ベルギー、ドイツ、スウェーデンでは原子力発電の段階的廃止が決定されている。 [終わり]
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