[諸外国における原子力発電開発の動向]
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米国のウラン濃縮工場建設をめぐる動き

 ガス遠心分離法を用いたウラン濃縮工場の建設を計画しているルイジアナ・エナジー・サービシーズ(LES)社は9月10日、建設サイトをテネシー州ハーツビルに決定したと発表した。

 LES社は、ヨーロッパの濃縮会社であるウレンコ社(英国、オランダ、ドイツの共同出資)のほか、フルーア・ダニエル社、エクセロン社、デューク・エナジー社、エンタジー社が参加している。また、ウェスチングハウス(WH)社とカメコ社が参加する方向で現在協議が行われている。濃縮工場には、ウレンコ社が開発した最新式の遠心分離技術が導入される。

 年末までに米原子力規制委員会(NRC)に建設許認可申請書を提出、2004年後半に着工を予定している。建設費は総額11億ドルで、2007年の操業開始を目指す。とりあえず、地元のハーツビル住民の理解を得るために事務所を設置する計画。

 一方、米エネルギー省(DOE)は9月19日、米国濃縮会社(USEC)との間で、新型のウラン遠心分離機を共同開発することで合意したと発表した。それによると、DOE傘下の国立オークリッジ研究所(ORNL)とUSECが5年間をかけて共同で開発する。開発費用は1億2,100万ドル。また、ORNLは共同開発を終了した後の数年間にわたり、USECから2,850万ドルの支援を受け、ウラン遠心分離機を改良するための設計や試験、分析などを行うことになっている。

 DOEのエイブラハム長官は、新型ウラン遠心分離機の共同開発はブッシュ政権が推進しているエネルギー政策の一環で、安全で信頼性があり経済的なエネルギーを供給する上で貢献すると語った。

 USECは、DOEと共同開発した遠心分離技術を採用した濃縮工場の建設に2007年以降に着手する予定。濃縮工場が操業開始するのは早くても2009年以降とみられている。建設費用は10億ドル〜15億ドル。

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