[諸外国における原子力発電開発の動向]
主なできごと (2002年12月中旬〜2003年1月中旬)

英政府、電気事業法改正法案を提出

―BE社再建を法制面で支援

 政府は1月10日、経営危機に陥っているブリティッシュ・エナジー(BE)社の再建計画を支援するため、現行の電気事業法の改正案を発表した。改正案は、2002年11月にBE社が発表した再建計画の支援を企図したもので、政府は必要に応じてBE社に公的資金を導入することが出来る。また最悪のシナリオとしてBE社再建計画が失敗した場合も想定しており、その場合、BE社またはその資産を政府所有とすることを盛り込んでいる。

 現行の「1989年電気事業法」は、BE社の株式を政府が保有することを認めていない。今回の改正法案ではそれを認め、また、原子力債務に対する財政援助の上限も撤廃。財政援助に対する課税資格の変更も可能としている。

 英国の新しいエネルギー政策は、現在も検討が続けられているが、今回の電気事業法改正案は、政府が今後も原子力安全と電力の安定供給を最重要課題と位置づけていることを示したものと受け止められている。

 BE社の再建計画は、支払いの一時凍結や債権の一部放棄、BE社所有のブルース・パワー社(カナダ)とアマージェン社(米国)の株式売却などが柱になっている。今後BE社は再建計画に関し、2月までに大口債権者の同意を取得したい考え。こうした手続きが順調に進めば、政府が欧州委員会(EC)に通達し、承認が得られ次第、実施に移すことになっている。

[終わり]

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