[諸外国における原子力発電開発の動向]
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米国:商業炉へのMOX装荷を申請

デューク・エナジー社は2月27日、原子力規制委員会(NRC)に対し、MOX燃料の装荷許可を申請した。核兵器の解体にともなって発生する余剰プルトニウム処分プログラムの一環として行われるもので、同社が所有するマクガイア発電所(PWR、122万kW2基)かカトーバ発電所(同、120万5000kW2基)の1基を用いて、MOX燃料の試験集合体4体を2005年に装荷することを計画している。

今回の装荷申請は、MOX燃料のパフォーマンス確認が目的。デューク・エナジー社は、試験照射が順調にいけば、2008年頃にMOX燃料の装荷量を大幅に増やす許可をNRCから取得する意向を示している。採用されるMOX燃料は、ウラン95%とプルトニウム5%の混合酸化物(MOX)燃料。同社は、最終的にマクガイア発電所とカトーバ発電所でMOX燃料を燃やすことを計画している。

米国では、1962年から72年にかけて運転されたサクストン炉(PWR、熱出力2万3500kW)でもMOX燃料が装荷されたことがある。この原子炉は、発電・研究炉として、現在の原子力発電所に採用されている多数の技術を開発するために利用されたほか、民間ベースで認可を取得した原子炉としては、MOX燃料を利用した最初のものとなった。

核兵器の解体にともなって発生した軍事用プルトニウムの処分については、ロシアのプーチン大統領とクリントン米大統領(当時)との間で2000年に合意が成立し、それぞれ34トンを処分することになった。ロシア側がプルトニウムをMOX燃料に加工して処分する方針を示す一方で、米国は当初、MOX燃料での燃焼とガラス固化して貯蔵する方法を並行して進める方針を打ち出した。しかし、2002年1月、エネルギー省(DOE)のエイブラハム長官は、MOX燃料オプションに一本化することを決定した。核弾頭の解体施設とMOX燃料の成形加工施設は、サウスカロライナ州のサバンナリバーサイトに建設されることになっている。

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