[原子力産業新聞] 2001年6月28日 第2093号 <1面>

[原子力安全委員会] 耐震安全審査指針を見直しへ

原子力安全委員会は25日、同委員会のもとに設置されている原子炉安全基準専門部会に対して耐震安全性に係る安全審査指針類の調査審議を指示した。来月3日に同専門部会を開催し、検討に着手する方針だ。同専門部会がこのほどとりまとめた耐震安全性の調査で、耐震設計に関連する知見が資料として収集・整理されたことを受け、それらを参考として、現行の指針類を新しい知見や技術と照らし合わせて検討し、原子力施設の耐震安全性に対する信頼性を一層向上させる考えだ。指針見直しは約20年ぶりとなる。

基準専門部会で検討

安全委員会では安全基準専門部会に指示し、1996年度から「原子力施設の耐震安全性に関する調査」として耐震設計に関する国内外の規制状況や関連知見の検討状況等についての委託調査を継続して実施してきた。このほどその成果が取りまとめられたことから、これらの調査等によって耐震設計に関連する知見を踏まえ、それを参考に現行の指針類を新知見・新技術と照らし合わせて検討する。

現行の発電用原子炉施設についての耐震設計審査指針は原子力安全委員会が1981年に定めたもので、原子炉建屋や付帯設備など、施設の重要度に応じA、B、Cのクラス分けを行って、それぞれが備えているべき耐震性能を定めている。「発電用原子炉施設は想定されるいかなる地震力に対してもこれが大きな事故の誘因とならないよう十分な耐震性を有していなければならない。また、建物・構築物は原則として剛構造にするとともに、重要な建物・構築物は岩盤に支持させなければならない」との基本方針に基づき、立地場所で歴史上に知られる最大地震以上の地震動に耐える設計を要求し、発電所は強固な岩盤まで掘り下げて直接立地することを求めるなど、地震国であるがゆえの厳格な設計基準が採用されている。総じて、原子力発電所は、一般の建築物の最大3倍程度の耐震強度が求められている。

原子炉安全基準専門部会ではこのほどとりまとめた調査で、こうした指針に盛り込まれた耐震安全性の考え方等に関して、基本方針は最新の知見に照らしても妥当性は損なわれないなどと現行指針の妥当性を評価する一方、最新の知見を反映することで安全確保の要求に対してより高度な評価技術により対応できる技術的な環境が向上していることや、地震・地震動の評価について確率論的評価の補完等が考えられるなどと、最新の知見を盛り込むことで指針を一層改善できるとしていた。


訂正 (7/5)

6月28日付号1面の原子力安全委員会の耐震審査指針見直しの記事中に「原子炉安全基準専門部会」とあるのは「原子力安全基準専門部会」の誤りでした。また「原子力施設の対震安全性に関する調査」は原子力安全委員会が1996年度から原子力発電技術機構に委託し実施されたものです。あわせて訂正いたします。


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