[JAIF] 平成20年度原子力政策の重点について
──政府予算編成にあたっての要望──
 日本原子力産業協会は、7月18日、文部科学大臣および経済産業大臣へ「平成20年度原子力政策の重点について─政府予算編成にあたっての要望」を提出いたしました。

平成20年度原子力政策の重点について
──政府予算編成にあたっての要望──

平成19年7月18日
社団法人 日本原子力産業協会

 「原子力立国計画」や「原子力に関する研究開発の推進方策」はもとより、本年3月に改訂された「エネルギー基本計画」においても国の重要政策として明確な位置づけを得た原子力開発利用の着実な推進にむけ、官民がそれぞれの役割のもと取り組みを進めている。基本政策面での環境が整い、官民連携による原子力開発利用が進展するためには、国の確固たる推進姿勢とともに、各行政官庁の適切な施策の遂行が不可欠である。

 海外では、地球温暖化対策や資源・エネルギーの安定的確保の観点から原子力に対する評価が好転し、開発利用の促進がみられる。わが国は今後も、基礎基盤研究から軽水炉燃料サイクル、高速増殖炉を含む多様な原子力利用の拠点として世界をリードすることが重要である。一方、原子力発電を進めるうえでの喫緊の課題である高レベル放射性廃棄物処分事業の停滞という大きな問題を抱えている。

 原子力の分野では、研究開発、財政的措置等により国が大きな役割を果たす必要がある。主導的に国が果たすべき役割を再確認しつつ、関係行政庁においては平成20年度における各種施策の立案と予算編成に際し、以下について、最重点事項として特段の配慮を行うよう要望する。

    1.高レベル放射性廃棄物処分地の選定を目指した社会との相互理解促進活動の一層の充実および地層処分技術の高度化を目指した研究開発の推進
    2.「国家基幹技術」である高速増殖炉サイクルの実用化に向けた取組の計画的推進
    3.社会の理解促進に極めて重要な広聴・広報活動の効果的な推進
    4.国際競争力を有する次世代軽水炉の研究開発の計画的推進
    5.RI・研究所等廃棄物の処分についての必要な環境の整備
    6.ウラン資源確保などを含むエネルギー資源外交にそった民間事業への支援
    7.安定した原子力発電を支える人材の育成と技術継承にむけた取り組みの推進、およびこれらにも効果的な基礎基盤研究の充実
    8.海外の原子力発電所建設への参画等のわが国原子力産業の国際展開促進にむけた一層の環境整備
    9.放射線利用技術をはじめとする、量子ビームテクノロジーの一層の普及促進
    10.ITER計画や幅広いアプローチをはじめとする核融合研究開発の計画的推進

以 上

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