[JAIF] 原産年次大会

第41回原産年次大会開会における福田首相の所感
(原産年次大会事務局による聞き取りメモ)

平成20年4月15日

皆様、おはようございます。

第41回原産年次大会の席にお招きいただきまして、一言ご挨拶を申し上げたいと存じます。

この大会は、国内外から大変多くの方々のご参加を得て、毎年盛大に開催されているということでございまして、心からお喜びを申し上げます。

申し上げるまでもありませんが、安全の確保を大前提とした原子力の推進は、立地地域の皆様、また国民一人ひとりの理解なくしては実現不可能であります。

加えて、原子力関係者の長年のご努力にも大変大きなものがございます。関係者の皆様のこれまでの地道なご努力に対しまして、改めて敬意を表したいと存じます。

近年、エネルギー安全保障の確立と地球温暖化対策の観点から、世界的な原子力回帰の動きがあります。原子力ルネッサンスといわれるこうした動きは、わが国が一貫して原子力開発利用を進めてきたことが、決して間違いではなかったということの証左ではないかと存じております。

昨今、石油をはじめとする天然資源の有限性が叫ばれ、価格も高騰しております。資源エネルギーのほとんどを海外に依存しているわが国として、省エネルギーに取り組み、また新エネルギーの開発普及も推進しておりますが、基幹電源であります原子力発電も着実に推進していくことが極めて重要であります。また、将来的にも原子力発電の持続的な利用を可能にするためには、「もんじゅ」などの高速増殖炉の開発も、今後一層重要になると存じております。

発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電は、地球温暖化対策の切り札です。地球温暖化問題は、世界が共通して直面している大きな課題であり、わが国の優れた原子力技術を活かして、アジアや世界における安全で平和的な原子力拡大に貢献することも、わが国の重要な役割であると思っております。特に、わが国は地震国でございます。特に安全については最大限の配慮をしております。この安全面に対する配慮は、これから他の国々に原子力を発展させていくとなりますと、まず第一に必要なことではないかと考えております。

7月には、G8洞爺湖サミットが開催されます。最大のテーマのひとつが、気候変動問題であります。私は、議長を務めることになりますが、温暖化対策における原子力の重要性にも配慮しながら、各国との議論にリーダーシップを発揮したいと思っております。

エネルギー安定供給確保のためにも、地球環境問題の解決のためにも、優れた技術力を活用して、エネルギーを確保していくという発想が必要であります。大変厳しい安全性や耐久性が求められる原子力発電は、まさに最先端の科学技術のかたまりです。原子力に関する技術開発の推進は、幅広い関連技術の進歩を促すことにもつながることになります。

産官学が連携して、原子力分野の技術力を強化し、安全を確保しながら国民の理解協力のもとに、原子力の利用を進めていくことが大変重要であります。

私としましても、皆様の取り組みをしっかりサポートし、今後とも原子力の安全かつ着実な推進に努めてまいりたいと存じます。

最後になりますが、本日ご列席の皆様のご健勝と原子力産業全体のますますの発展を祈念して、私のご挨拶とさせていただきます。

以上

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