当協会と中部原子力懇談会が、全中理 島根大会で放射線関連実験をPR


 全国中学校理科教育研究会(以下、全中理と称す)の第61回全国大会が、8月7日(木)、8日(金)に、島根県松江市の島根県立産業交流会館「くにびきメッセ」で開催されました。
 当協会は、中部原子力懇談会と共同で「理科関係企業ブース」(※)に出展し、簡易霧箱による放射線飛跡観察、携帯型手作りGM管放射線測定器での測定、放射線の橋かけ反応を利用して作った新素材「ポリカプロラクトン」(以下PCL)の強度比較実験などを実演し、「学校教育現場への放射線に関する情報提供」を行いました。

 ※全国大会への支援として、理科関係の教科書出版社、教材製造・販売企業が出展するブースです。

 当協会と中部原子力懇談会の共同ブースには、2日間で、理科の先生や企業関係者ら約130人が立ち寄ってくださり、観察・模擬実験を興味深く見学されました。なお、大会に参加された先生の総数は約500人でした。

     

 出展体制は、日本原子力産業協会と中部原子力懇談会(霧箱実験、GM管放射線測定器での測定、パンフレット提供)の共催とし、また、東北放射線科学センター(PCLの提供)と関西原子力懇談会(教員向けテキスト「生徒と一緒に考える放射線」(テキスト、DVD、ワークシートの3点セット)の提供)の協力を受けて実施しました。
 当協会は、放射線実験の実演の経験はありませんが、中部原子力懇談会は、長年、愛知、岐阜、静岡を中心とする地域で、教員向けの放射線セミナーや施設見学会などを実施されており豊富な経験をお持ちですので、2013年に引き続き協力をお願いしました。

【ブースでの反響】
(1)簡易霧箱による放射線飛跡観察
霧箱実験については、先生方はすでに自分で実験されていたり、教員研修会で勉強されたことがあったりしてご存知の方が多かったようでした。むしろ、先生方は、理科の授業で行う霧箱実験について、短時間で飛跡が見えるレベルの「放射線源」を求めておられることがわかりました。中部原子力懇談会が、霧箱実験の線源に使用している「モナザイト」に先生方は関心を示され、入手方法などを相談されていました。(=写真下、左
(2)携帯型手作りGM管放射線測定器での測定
過去、教材用のGM管放射線測定器が販売されていましたが、現在は製造中止となっており、先生方の中には、製作するにはどうしたら良いか模索中の方もおられました。中部原子力懇談会では、今回、携帯型手作りGM管放射線測定器を製作し、その製作方法について詳しく説明されていました。特注(問い合わせれば中部原子力懇談会で紹介できる)の高電圧発生器以外は、特殊なものではなく、先生方は、非常に興味深く説明を聞いておられました。
(3)放射線の橋かけ反応を利用して作った新素材「PCL」の強度比較実験
放射線をあてて材質を強化したPCLというプラスチックがあります。当協会は、東北エネルギー懇談会よりこのプラスチック片を提供いただきましたので、熱湯に浸した後の形状記憶を確認する簡単な実験を実演しました。放射線をあてるメリットが目に見える実験ということで先生方は非常に関心を示されました。教材用として入手したいという要望がたくさん寄せられましたが、現在、教材用として製作頂けるメーカを探しているところで、引き続き努力する旨のお話をしました。(=写真下、右
(4)教員向けテキスト「生徒と一緒に考える放射線」提供
本件は、関西原子力懇談会が、「生徒と一緒に考える放射線」としてテキスト、DVD、ワークシートの3点セットで提供できるよう作成したものです。このワークシートは、テキスト用シートおよびDVD説明の実験記録の記載シートを兼ね備えたもの。先生方の反応としては、この3点セットがあれば、即、放射線授業が出来ると大変好評でした。

     

ブース出展を通じて理科の先生方と直接お話し、先生方のニーズの一端を知ることができたと思いますので、今後も子どもたちが放射線の性質を理解し、放射線から身を守ることができるだけの基礎知識を持てるように、教える側の先生への情報提供が大事と考えて今後も機会があればこのような場に参加したいと考えています。また、放射線源やPCLなどの実験材料が入手しやすくなるよう関係者と連携したいと思います。

以 上


 

お問い合わせは、人材育成部(03−6812−7101)まで