[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <1面>

[原産] 2000年開発の動向調査まとめ

世界の原発、稼働中は430基

日本原子力産業会議は2000年末の「世界の原子力発電開発の動向」調査を実施し、とりまとめ結果を18日、発表した。それによると、同年末現在、世界では430基の原子力発電所が運転中で、合計出力は3億6,334万3,000kW であることが明らかになった。99年末の前回調査では、425基、出力合計は3億5,942万5,000kW だった。

2000年に新たに営業運転入りしたユニットは、8基を数えた。また、建設中の発電所は43基、4,143万6,000kW (前回調査49基・4,356万3,000kW)、計画中は41基・3,133万8,000kW (同40基・2,741万3,000kW) などとなった。

2000年末の「世界の原子力発電開発の動向」調査は、世界31か国・地域の70の電力会社等から得たアンケートの回答に基づき、最新のデータを集計したもの。

同年中に新たに営業運転を開始した原子力発電所は、インドのカイガ1、2号機 (加圧重水炉、各22万kW) とラジャスタン3、4号機 (同)、フランスのショーB1、2号機 (PWR、各151.6万kW)、スロバキアのモホフチェ2号機 (VVER、44万kW)、パキスタンのチャシュマ (PWR、32.5万kW) の8基。1年間に新たに営業運転を開始した基数は減少傾向を示していたが、昨年は5年ぶりに上昇に転じた。

インドは、4基・88万kW が運転中に加わったことにより、設備容量では前年より3ランク上がり世界の18番目に位置することとなった。フランスのショーB1、2号機はそれぞれ96、97年に送電網に接続されていたが、このほど規制当局である原子力施設安全局から運転認可を取得したことから、営業運転開始となった。スロバキアは昨年、営業運転を開始したモホフチェ1号機に続き、同2号機が稼働し、運転中の基数では東欧最大のブルガリアと並ぶ6基を抱えることになった。

また、今回の調査でも、世界的に見てアジアの原子力開発が順調に進んでいる状況が改めて浮き彫りになった。2000年に新たに着工した5基は、朝鮮半島エネルギー開発機構 (KEDO) が北朝鮮で建設を進めている韓国標準型炉2基 (PWR、各100万kW)、インドのタラプール3、4号機 (PHWR、各50万kW)、中国の田湾2号機 (PWR、106万kW) と、すべてアジア地域でのもの。

また、アジアで新たに計画入りしたのは、韓国の新古里1、2号機 (PWR、各100万kW) と新月城1、2号機 (同)、日本の島根3号機 (ABWR、137.3万kW) と泊3号機 (PWR、91.2万kW) の6基だった。


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