[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <2面>

[原産] 年次大会、26日は六ヶ所村で開催

サイクル事業との共生柱に

先週号に続き、24日から始まる第34回原産年次大会のセッションのねらいと見どころを紹介する。

4月26日

セッション2 「原子燃料サイクル施設のある日英仏3地域から、世界へ」

このセッションでは、21世紀のエネルギー政策や原子燃料サイクル施設の意義と役割、日英仏3か国・3地域間の協力について、各地域の代表者が意見を交わす。参加者は、木村守男青森県知事、J.カニンガム英国カンブリア県選出国会議員、P.グレゴワール仏国ラ・マンシュ県知事の3名。再処理工場の立地する地域の政治家が原子力分野のみならず文化的側面も重視した相互交流など、将来への期待を明らかにするとともに、これを3地域間の連携強化の出発点とする。

セッション3 「使用済み燃料再処理の技術はいかにして確立したか−各国の建設と運転経験」

このセッションは、六ヶ所村へと会場を移し、午後2時から六ヶ所村文化交流プラザで行う。再処理政策の意味を再確認するとともに、英仏両国の専門家による再処理技術の進展と、わが国が東海再処理工場を通じて技術の蓄積を図った経験を披露。六ヶ所村で建設が進む日本原燃の再処理工場の特質について、特に地元参加者の理解を深めてもらう事をねらう。

S.イオン英国原子燃料会社 (BNFL) 研究開発部長、大塔容弘日本原燃再処理事業所再処理建設所副所長、川口昭央核燃料サイクル開発機構東海事業所再処理センター副センター長、P.プラデル仏核燃料公社 (COGEMA) 再処理事業部長の4名がパネリストとして参加する。

セッション4 「サイクル事業と地域の共生を考える」

再処理工場が完成すると世界でも有数の原子燃料リサイクルセンターになる六ヶ所地域。エネルギー産業と地域産業の融和と共生をテーマに取り上げ、原子力発電所立地地域の自治体代表者も加え、パネルを通して原子燃料サイクルと共生を議論し、今後の政策立案への一助とする。

地元六ヶ所村の橋本寿村長がサイクル事業をベースとした村の将来展望をめぐり基調講演を行った後、西川正純柏崎市長、村上達也東海村長ら首長をはじめ、阿波田禾積青森公立大学経営経済学部教授、佐々木正日本原燃社長、ジャーナリスト中村政雄氏、松尾拓爾六ヶ所村商工会会長、酪農家山口成明氏らが各自意見を展開していく。また、同セッションの展開を踏まえ、パネリストと六ヶ所村民との意見交換も行われる。

4月27日

セッション5「電力自由化の中で再評価される原子力

このセッションは、電力自由化先進国の事例を紹介するとともに、部分自由化から1年を経過した我が国の状況を踏まえ、各国との共通点や相違点を浮き彫りにすることをねらいとしている。

講演者と題目は次の通り。

N.アスキュー英国原子燃料会社 (BNFL) 最高経営責任者「BNFL の再編と新たな事業展開」、西村陽学習院大経済学部前特別客員教授「電力ビジネスの世界潮流と原子力の競争力」、N.ニューマーク・ニューマークアソシエイツ代表「米国の原子力発電業界にみる規制緩和の攻略」、A.トイボラ・フィンランド TVO 電力特別顧問「フィンランドの原子力発電戦略−新規建設をめざして」。

セッション6「高レベル放射性廃棄物処分へのステップとその推進方策」

このパネル討論セッションでは、昨年10月我が国で高レベル廃棄物処分事業実施主体が発足したことを受け、同事業推進には国民と地域住民の立地や安全性等についての理解が不可欠であることを踏まえて、海外の同廃棄物処分計画の進展状況を聞くとともに、国民の理解と地域共生とは何かを探る。

基調講演者はP.ベルナール仏原子力庁 (CEA) 原子力開発技術本部長。パネリストとして石橋忠雄弁護士、H.イスラー・スイス放射性廃棄物管理共同組合 (NAGRA) 理事長、徳山明富士常葉大学学長、外門一直原子力発電環境整備機構理事長、D.ホートン米国エネルギー省 (DOE) ユッカマウンテンサイト調査プロジェクト次長、安井正也経済産業省資源エネルギー庁原子力政策課放射性廃棄物対策室長らが参加する。


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