[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <3面>

[米国] 企業統合が一層進展

米原子力産業界の動向調査で指摘

米国の原子力産業界は今後原子炉の売買や企業統合が進み、5〜7年のうちに国内の原子力発電設備すべてが12社程度の企業により操業されることになるとの調査結果が日付けで明らかにされた。

この報告書をまとめたのは NAC ワールドワイド・コンサルティングで、米国に本部を置く原子力輸送・技術企業である NAC インターナショナル社の一部門。それによると、昨年、米国内で顕著に見られた原子炉設備の所有権の統合傾向は今後さらに加速していくと見られているが、さらに劇的だった点として同報告書は2000年に売却された原子炉の価格が98年から99年にかけて急速に高騰していたこと」を挙げている。原子炉価格の実質的な上昇は、カリフォルニアで起こった電力不足や国内原子炉の設備利用率が近年、着実に改善されてきたという事実と相まって、自らが所有する原子炉の実際の市場価格のみならず原子力発電資産を売却する利点についても原子力発電企業に再考を促す結果になったと強調している。

報告書はまた、米国の原子力発電企業が今後も統合されていくのは避けがたいとしており、単一のユニットを所有する企業が最も買収の対象となりやすいと指摘。通常の企業統合が進んだ場合の原則に従って、「提携」と言うよりは合併・吸収 (M&A) の形態で移行しつつあるとの考えを示した。実際のところ昨年は、米国の原子力総発電設備の26%にあたる2,520万kW 以上が合併や買収、または中西部の4電力会社の合同管理企業であるニュークリァ・マネージメント社 (NMC) の設立を通じて所有権が移転されている。

それらの中でも最大だったのはユニコム社と PECO エナジー社の合併で、新たに設立されたエクセロン社は米国で第1位、世界でも3番目の規模を持つ原子力発電企業となった。来年にはさらに、1,450万kW の原子力設備が移転されると同報告書では予想している。


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