[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <3面>

[米国] 電力会社の合併計画が決裂

米国フロリダの電力グルーブである FPL とニューオリンズを本拠地とするエンタジー社は2日、両社が昨年の7月に合意していた合併計画を白紙に戻すことになったと発表した。

この合併が成功していれば、所有原子炉数で全米第2位 (12基)、顧客数では第1位の規模を持つ大型電力会社が誕生するはずだったが、FPL 側は、「合併による相乗効果、あるいは当初予想されていた株主達へのメリットが見込めないことが判明した」と説明。お互いの事業を統合して成長していく機能に規制当局が制限を設けると予想されたことも考えを改める一因になったと指摘した。また、合併後の収益見通しや方向性に関するさまざまな問題、操業・管理方法に関する見解の相違なども理由の一部になったとしている。

一方、エンタジー社の方は、「FPL」が提示した様々な方針を受け入れれば、当社の株主達が認めた対等な立場での合併は望めなくなると判断した」と強調。規制当局に対して示した約束事項を果たすことができず、合併の承認を得られる見込みがなくなっていたことも明らかにした。

なお、今回の結末により両社は当初の合併同意条項に基づき、それぞれ契約打ち切り金を負担しなければならないが、双方とも支払う意思のないことを表明している。


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