[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <3面>

[フランス] 使用済み燃料の荷降ろしを認める判決

フランスのカーン控訴裁判所は3日、シェルブールの裁判所が3月15日に下した裁定を覆し、フランス核燃料公社 (COGEMA) が再処理のためにオーストラリアから海上輸送してきた使用済み燃料の荷降ろしを認める判決を下した。

この使用済み燃料はオーストラリア原子力科学技術機構 (ANSTO) のルーカス・ハイツ研究所にある研究炉から出たものだが、環境保護団体は3月に「これらは再処理の許可を受けていない廃棄物であり、仏国内に長期間貯蔵することはできないはず」と主張してシェルブール港での荷降ろし差し止めを請求。シェルブール裁判所はそれを認める判断を下していた。

これに対してコジェマは、今回海上輸送された使用済み燃料については荷降ろしと再処理工場までの輸送および再処理を実施するまでの期間の貯蔵に関して仏原子力施設安全局 (DSIN) から必要な認可をすべて得ていると主張。DSIN も、再処理認可は安全性に係わる要求項目に従い、放射性物質の最新情報に基づいて再処理の直前に発給するのが通例となっていることを説明していた。

カーンの控訴裁判所はコジェマの主張を全面的に認めた上で、輸送船が使用済み燃料を荷降ろしできずにシェルブール港に停泊させられた期間の維持費などとして2万フラン (約40万円) を支払うよう環境保護団体に命じている。


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