[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <6面>

[経済省] 革新的技術開発の公募10件採択

経済産業省がエネルギー総合工学研究所を通じて大学や研究機関、企業などが行う革新的な実用原子力技術開発を公募して補助を実施する制度に関して、2000年度は58件の応募があり、そのうち10件が採択されたことがこのほど明らかになった。

原子力技術の中で、安全性や経済性の一層の向上が期待される革新的な技術概念や要素技術などをねらい、柔軟な発想による実用型技術開発を対象としてテーマの募集が行われたもの。

2000年度の採用テーマと実施機関は次のとおり。

▽「地層処分場の高圧環境における性能評価手法に関する技術開発」神戸製鋼所、東京大学、コベルコ科研 ▽「フッ化揮発法と溶媒抽出法のハイブリッド再処理に関する技術開発」日立製作所、埼玉大学、名古屋大学 ▽「軽水炉 MOX 振動充填燃料の開発」東芝、大阪大学、日本ニユクリア・フユエル、日本核燃料開発 ▽「長半減期 MA・FP 核種の分離回収システムの開発」東京工業大学、三菱マテリアル、日本原子力研究所 ▽「高経済性低減速スペクトル BWR に関する技術開発」東芝、岐阜大学 ▽「超臨界圧水冷却炉の実用化に関する技術開発」東芝、東京大学、九州大学、日立製作所 ▽「放射性廃棄物地層処分における天然バリア中の物質輸送予測」富士総合研究所、東京大学、日本原子力研究所 ▽「受動的安全性を具備した低減速軽水炉に関する技術開発」日本原子力研究所、日本原子力発電、日立製作所、東京工業大学 ▽「核燃料サイクルシステムの外部性評価手法体系に関する技術開発」三菱総合研究所、埼玉大学 ▽「新型熱交換器 (AIHX) に関する技術開発」三菱重工業、大阪大学

なお、2001年度は総額約13億円の規模で補助事業が行われるが、このうち7億円は前年度に採用されたテーマヘの繰越しのため、今年度の新規テーマには、実質的に約6億円が充てられるという。テーマの公募は、5月上旬頃に開始される見通しだ。


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