[原子力産業新聞] 2001年8月23日 第2100号 <3面>

[米国] FFTFの処遇、再審査へ

RI生産で利用の可能性

米国エネルギー省 (DOE) は1日、ワシントン州ハンフォードにある高速中性子束試験装置 (FFTF) の処遇に関する最終報告書を吟味した結果、同装置を医療用および工業用放射性同位元素 (RI) の商業生産に利用する一提案についてさらに60日間の審査を実施することになったと発表した。

今年1月に出された FFTF の永久閉鎖決定を実行に移すか否かについては、4月から90日間の日程で専門家のM.ホランド氏をリーダーとするグループが同装置の商業利用を提案するすべての選択肢に関して徹底的な審査を実施していた。同氏が7月27日に DOE に提出した最終報告書は、「唯一、FFTF およびハンフォードにあるその他の余剰設備を商業利用する可能性について、さらなる審査の実施に値する新情報をもたらす提案があった」と指摘。内容は、がん研究や治療などの医療用や工業用に RI を生産する施設として活用することだと説明している。

DOE では今後9月末までを目処に、資産および周旋に関する DOE 所属の専門家や弁護士などで構成される作業グループに、同提案の実行可能性の評価作業を実施させる計画。国家環境政策法に準じて同提案を評価・考慮した上で、DOE 長官は FFTF を商業利用する準備を進めるか閉鎖するかを最終決定することになる。


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