[原子力産業新聞] 2001年9月13日 第2103号 <1面>

[NSネット] ジェーシーオー東海事業所で、第24回安全キャラバンを実施

一層の安全文化醸成へ

ニュークリアセイフティーネットワーク (NSネット) は6日、茨城県・東海村のジェーシーオー東海事業所で、第24回安全キャラバンを実施した。

「安全キャラバン」は、NSネット会員の専門家および事務局が会員の事業所を訪問し、安全講演や安全推進活動の相互紹介などを実施する同ネットの活動の柱のひとつ。昨年7月の日本原燃六ヶ所本部および原燃輸送六ヶ所輸送事業所での開催を皮切りに、ほぼ1か月に2回程度のぺースで開催を重ねており、NSネットでは今年度中に全会員 (36の企業および研究機関等) の代表事業所での開催を予定している。

当日、会場となったジェーシーオーの事務棟大会議室には、約70名の同社社員が参加した。

冒頭、挨拶に立った稲見ジェーシーオー社長は、一昨年の臨界事故について「社会全体に重大な影響を与えた事を深くお詫び申し上げる」と表明するとともに、企業が社会的存在として成り立つには安全確保が必要不可欠であるとの考えを強調。同社では基本を大切にする等の行動指針を設けて組織体制、教育・訓練の見直しなどを行っていることなどを紹介し、今回の安全キャラバンを契機に、「より一層安全文化の醸成に精進し、他に誇れる良好事例が生み出せるようになれば」と、期待の念を示した。

引続き行われた安全講演では、東京電力原子力管理部品質保証・保安管理グループマネージャーの福良昌敏氏が講演「安全推進の取り組みについて」の中で、(1) TMI事故を初めとする各種事故を契機に、世界および日本でどの様な対応が取られてきたか (2) 臨界事故を教訓とした法改正や電力会社の安全対策 ---- について述べ、加えて同社の柏崎刈羽原子力発電所における安全文化醸成活動を例に、同社の安全に対する取り組みを紹介した。

その後、ジェーシーオーの安全担当者とNSネット事務局との間で意見交換会が行われ、事故後の安全への取り組みや、NSネットの活動についての率直な意見が交わされた。


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