[原子力産業新聞] 2001年9月13日 第2103号 <3面>

[フランス] 原子力持株会社が誕生

世界の原子力リーダー目指す

フランスの CEA インダストリー社は3日、同国原子力関係各社の共同株主会合の席で同国の原子力事業再編計画である TOPCO プロジェクトを完結させる一連の決議を採択し、CEA インダストリー、仏核燃料公社 (COGEMA)、フラマトム ANP、およびコネクター会社である FCI 社の力を結集した「AREVA」という単一の産業グループを設立したと発表した。

昨年11月末に同プロジェクトが始動して以来1年近くが経過したが、暫定的に TOPCO と呼ばれていた同国の原子力産業持ち株会社は AREVA の名称の元で一本化されたことになる。同社株の最終的な構成は次のように決定している。すなわち、仏原子力庁 (CEA) が78.96%、仏政府が5.19%、有資格投資家が4.03%、石油会社の ERAP が3.21%、仏電力公社 (EDF) が2.42%、アルカテル社が2.23%、従業員株主 (FRAMEPARGNE) が1.58%、政府の銀行組織である CDC が1.36%、石油コングロマリットの Total FinaElf が1.02%。

コネクター事業グループとしても世界第2位の規模となる AREVA は今後、原子力発電サイクルの各部門、すなわちウラン鉱採掘から原子炉建設、燃料製造、施設の廃止措置、サイトの浄化までを通じて世界の原子力産業界のリーダーを目指した活動を展開していく。総従業員数は4万5000を超えており、総売上げ高は100億ユーロ (1兆800億円) に達する見込み。同グループ取締役会会長には COGEMA のA.口ーヴェルジョン会長が就任したほか、CEA のP.コロンバニ長官が同グループ監査役会の会長を務めることが決まっている。

「AREVA」の名はスペイン北部の地方名に由来しており、株主達が希望する「シンプルで発音や表記、記憶するにも平易な上、先端技術を通じた生活の向上という目標遂行のためのバイタリティと創造力を統合させた国際的なグループを感じさせる名称」を意識して考案したと説明している。


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