[原子力産業新聞] 2001年9月13日 第2103号 <3面>

[スウェーデン] ヴァッテンフォール社、原子力税の引下げを要請

さらに1基以上閉鎖の危険性

スウェーデンの国営電力であるヴァッテンフォール社は3日、同国で原子力発電に課せられている税の引下げを正式に政府に要請するとともに、それが受入れられなければさらに1基以上の原子炉が早期閉鎖に追い込まれると警告した。

この要請は同社のA.リンドフォルス副社長から財務大臣宛ての書簡という形で表明されたもの。その中で同副社長は、「現在、原子力設備容量に掛けられている税は原子力発電総経費の15%、未払いの資本コストを除けば2%に達している」と指摘。こうした税制は欧州連合 (EU) 域内でも特殊であり、規制緩和が進んだ競争の激しい国際市場で操業するスウェーデンの電力会社にとって非常に重荷になっていると訴えるとともに、EU 域内では、このように差別された産業活動はほかに見当たらないと強調した。

スウェーデンでは数年前から原子力税が施行されており、徴収額は事あるごとに増額されてきた。昨年7月にはキロワット時あたりの課税が設備容量の割合に応じた課税形態に変更。現在の課税率は直接発電税のキロワット時あたり2.7オーレ (0.3円) に相当し、政府の手に渡る収入は年間19億スウェーデン・クローナ (約2億ユーロ) に達するとしている。

ヴァッテンフォール社はリングハルスおよびフォルスマルクの2サイトで原子力発電所を所有しているが、昨年の発電総経費はそれぞれキロワット時あたり17オーレと18.5オーレとなっている。これと比較して、北欧諸国の昨年の電力価格は水力発電の供給過剰によりキロワット時あたり平均12オーレ。しかし、今後の市場でのスポット価格は水力発電からの供給が通常レベルに戻ることから、キロワット時あたり18オーレで安定すると同社では予測している。

こうした背景から同副社長は、 (1) スウェーデンの電力会社が諸外国の企業と同等に競合するためには原子力税をキロワット時あたり0.2オーレ以下に下げる必要があり、これにより将来の市場価格も約18オーレ/kW 時で安定する (2) 引下げか実施されなければ、さらに1基以上の原子炉の早期閉鎖を招くことになり、電力価格の上昇とリプレース電源を建設する必要に迫られる ---- と結論付けている。


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