[原子力産業新聞] 2001年9月13日 第2103号 <6面>

[三井造船] 鉛ビスマス液体金属のループ試験を開始

三井造船は、高速増殖炉や中性子科学核変換炉の主冷却材として期待されている鉛ビスマス液体金属のループ試験装置を製作、同社の機械制御技術開発センター (岡山県玉野市) で運転を開始した。

鉛ビスマス液体金属は、従来使用されているナトリウムとは異なり、水や酸素に対し化学的に不活性で、原子炉の安全性の観点から核的特性に優れている。しかし、国内での利用実績に乏しく、材料腐食や冷却材品質管理などの技術課題を抱えている。

同社は、鉛ビスマス熱交換器を利用した発電プラントの開発実績があり、これら技術課題の解決を図るため、鉛ビスマス液体金属のループ試験装置を用いた試験データの取得を開始したもの。鉛ビスマスの運転温度最大550度C、流量最大毎分15リットル、流速最大毎秒2メートル、使用料は最大80リットルで試験を実施。液体金属純度管理制御技術、伝熱・流動特性、鋼材防食技術など鉛ビスマスの技術課題に関する知見を取得するとしている。


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