[原子力産業新聞] 2001年10月25日 第2109号 <2面>

[日本原子力研究所] HTTR、フルパワーにむけ出力上昇試験を開始

日本原子力研究所は23日、大洗研究所にある高温工学試験研究炉 (HTTR) の全出力達成に向けた出力上昇試験を開始した。

HTTR は今年4月から6月にかけて行われた出力上昇試験の中で、熱出力20メガワット、原子炉出口冷却材温度約670度Cの性能を実現していた。こうした結果は1次冷却流量を定格より約18%低下させることで温度を上昇させる試験運転モードにより得られたもの。

今回開始した試験では、11月中頃に定格運転モードで設計上最大となる30メガワットの熱出力を目指すとともに、国内では過去最高となる約850度Cの原子炉出口冷却材温度の達成も見込んでいる。

なお、今回の試験運転では、来年1月までは中間熱交換器を用いない「単独運転」を行い、それ以降熱交換機を使う並列運転を実施。3月上旬までに、定められたとおりの熱出力と冷却系統の除熱性能などを確認する計画だ。


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