[原子力産業新聞] 2001年10月26日 第2109号 <3面>

[欧州] 産業界、原子力施設の安全性を強調

テロ事件で共同声明

欧州の大手原子力企業の上層幹部達で構成される欧州原子力審議会 (ENC) は先月28日にパリで会合を開き、原子力関連施設にはテロなどによる外部からの衝撃に対して最高レベルの強度があると訴える声明文を発美した。

ENC はまず、9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件の被害者とその家族、およびアメリカ国民全体に深い哀悼の意を表明。この事件を契機に、欧州の多くの国でも原子力施設に同様の攻撃が加えられた場合の潜在的な影響についてさまざまな疑問が投げかけられたことから、次のような共同声明により、欧州原子力産業界としての姿勢を訴えた。

「原子力施設は万一の外部災害からも防護されるよう設計されている。自殺テロ行為の標的と成りうるその他の構造物と比較しても原子力建屋の強度は最高レベルであり、原子力施設の防護や事業者および地元住民の準備体制は発電所が例えどのような状況に陥ったとしても潜在的な被害を最小限に抑えることができるだろう。実際、9月11日のテロ攻撃は平和な世界の中で合理的に配慮し得るいかなる災害も超えたものであり、あのような戦争行為に近い行動については事に応じた見方が必要だ。ENC としては、すでに原子力発電所で取られている対策のほかに、飛行機や空港も含めて各国の政府が根本的な防御体制を取ることこそ、同様の惨事が繰り返されないよう我々の国を、都市を、そして産業施設を守る週切な方法なのだと申し上げたい。ENC はこの意味で、欧州各国の政府が取るいかなる決断をも支持する考えだ。」


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