[原子力産業新聞] 2001年11月15日 第2112号 <4面>

[新刊] 医療最前線で活躍する物理

今や物理学を応用した機器なくして現代医療は成り立たなくなっているといってよい。我々の身近にある放射線を利用した医療機器もそのよい例だが、そうした機器の原理や利用方法などを、一般読者向けに理解しやすく記した「医療最前線で活躍する物理」が刊行された。著者は放射線医学総合研究所医学物理部長の遠藤真広氏。

本著では、物理学の原理を応用したいろいろな医療機器の利用が紹介されていて、いかに物理と医療が深くて多面的な関係を築いているかが理解できる。

本書の構成は、前半部分でエックス線診断とは何かといった最も身近な技術の解説に始まり、コンピュータ・トモグラフィーや磁気共鳴イメージングなど、診断への応用について紹介。後半では放射線や重粒子などを中心に治療分野への物理の応用が簡潔にまとめられている。文字通り "ポピュラーサイエンスシリーズ" の一冊といえる。

裳華房発行。46版、140頁。定価1500円 (税別)。


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