[原子力産業新聞] 2006年3月16日 第2323号 <1面>

[内閣府] エネルギー世論調査 原子力推進に75%が肯定的

 内閣府は11日、エネルギーに関する世論調査をまとめ発表した。原子力推進に対して現状維持も含め国民の75%が肯定的で、99年の前回調査に比べ推進が12ポイント増加。核燃料サイクル政策では、国が必要な技術支援を行うべき、国民が正しい知識を得る機会を増やすべき、との意見が多数を占めた。

 この調査は全国20歳以上の3,000人を対象に、昨年12月下旬に実施した。調査方法は調査員による個別面接聴取で有効回収1,712人。調査項目はエネルギー全般、省エネ・新エネ、原子力、エネルギー広報などへの意識と関心。

 原子力では認知度、推進に関する姿勢、安全性に関する認知度、地域との協力関係、核燃料サイクル政策の5項目を調査した。認知度に関する質問項目に知っていると答えた割合は、電力の3分の1は原子力が47%、地球温暖化防止に貢献36%、再処理で資源が有効利用できる35%、ウランは石油に比べ供給が安定31%、発電所は地震に十分配慮17%など。前回に比べ特に温暖化防止、有効利用、供給安定などが10ポイント前後上昇した。

 原子力の推進に関する姿勢では慎重に推進47%と積極的に推進8%を合わせて推進が55%で、現状維持20%、廃止17%。前回から慎重にを含め推進が12ポイント増加、廃止は同5ポイント減少した。

 安全性では、何となくを含め安心との回答は25%で前回とほぼ同等、何となくを含め不安が66%を占める。安心の理由の質問(複数回答)では国を信用37%、十分な運転実績30%などが上位。不安は事故の可能性80%、海外で事故が発生44%、不祥事が続いている39%、安全規制が分からない37%、マスコミ報道35%など。

 地域との協力関係と核燃料サイクル政策は今回から加えた新たな調査項目。地域では「仮にあなたが住む地域に立地するなら国はどのような施策を行うべきか」との質問(複数回答)に対し、適切な安全規制の徹底54%、情報開示の義務づけ48%と回答。サイクルでは国が取組むべき事項を質問、国が必要な技術支援を行う26%、国民が正しい知識を得る機会を増やす35%、立地地域の理解と協力を得る12%などとなった。


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