[原子力産業新聞] 2006年3月16日 第2323号 <3面>

[英国] 首相、原子力支持鮮明に 「原子力は温暖化対策で役割」

 英国のブレア首相は3月8日、「原子力発電をエネルギー・ミックスに組み込まなければ、温室効果ガス削減目標を達成しつつエネルギー需要をまかなうことは困難」と発言し、原子力発電を推進する考えを明らかにした。これはブレア首相が下院での質問の中で答えたもの。

 政府諮問委員会が3月6日、「原子力発電だけでは地球温暖化対策の決め手とはならない」とする報告書を発表したことについて問われた首相は、「原子力発電が温暖化対策の唯一完全な方策だとは誰も言っていない。原子力発電は温暖化対策の中である程度の役割を果たすということだ」と強調した。これは新たな原子力発電所の建設に向けた、ブレア首相の強い意気込みを示すものとして受け止められている。

 英国の電源構成は原子力発電が20%、石炭火力が33%、天然ガス火力が40%、再生可能エネルギーが4%。原子力発電と石炭火力で約半分を占める。しかし、老朽化に伴う原子力発電所の閉鎖が進めば、2020年までに原子力シェアが7%、石炭火力シェアも欧州連合(EU)規則などによる制限のため16%程度に低下するとみられている。

 原子力発電所や石炭火力発電所が新規建設されなければ、このギャップは天然ガス火力で賄われることになるが、この場合、天然ガス火力シェアは2002年までに60%を上回り、当然、現行のエネルギー政策で打ち出された「英国の温室効果ガス排出量を2010年までに20%、2050年までに60%削減する」という目標の達成は困難となる。

 また、英国は北海油田の生産量低下のため2004年から天然ガスの純輸入国に転落しており、天然ガス需要の上昇はエネルギー・セキュリティの面からも問題と指摘されている。


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