[原子力産業新聞] 2006年3月16日 第2323号 <4面>

[高エネ研] 国内最速スパコン導入

 高エネルギー加速器研究機構はこのほど、量子色力学の理論的シミュレーション研究を推進するため、国内最速の計算能力を持つスーパーコンピュータシステムを導入した。

 同システムは理論演算性能2.15Tフロップスの日立製作所SR11000モデルK1と同じく57.3Tフロップスの日本IBM Blue Gene Solutionで構成。主に量子色力学の格子シミュレーションに使用する。

 量子色力学は自然界の4つの力の1つである強い力の基礎理論で、3つのクォークを結合させて陽子や中性子を形づくる源。自然界の物質の質量の約98%はこの量子色力学による結合の過程で生成されると考えられている。今後、物質の質量の生成をはじめ陽子、中性子、中間子などの反応に関する理解が飛躍的に進歩することが期待されるという。

 システムは高エネ研の加速器等と同様に、共同プログラムを通じ全国の大学などによって共同利用される。


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